難易度が上がり続ける行政事務を、プロマネの仕事術で“なんとか”できないか ~ PMI日本支部行政コミュニティ 第2回定例会参加レポート(前編) ~
皆さん初めまして!高力と申します。民間でシステム開発を経験後、地方公務員に転職してシステム部門で働いています。職場の働き方改革にプロジェクトマネジメントを取り入れてみたいと思い、最近学びなおしを始めました。
PMI日本支部の活動に初参加しました!参加したのは、設立されたばかりの行政コミュニティのオンライン定例会です。 行政の仕事の大変さと、プロジェクトマネジメントの大事さを実感できる、面白い2時間でした。これから2回にわたって、初めて定例会に参加してみた感想をレポートしますので、どうぞ最後までお付き合いください。
えっ?こんな大きなプロジェクトを新人1人でやるの?
ゲストスピーカーは北海道庁職員の渋谷さんという方でした。
今回の定例会では、渋谷さんが採用1年目で任された「災害派遣チームの実働訓練の企画・運営プロジェクト」を振り返り、課題・困りごとを赤裸々にお話いただいた後、参加者みんなでより良くする方法を対話形式で意見交換しました。
ただ、このプロジェクト、とにかく人手が足りない。
やることは訓練の企画から、訓練場所や航空機等の手配、訓練参加者の確保など多岐にわたる。
訓練の専門家や医療関係者、手配に係る関係機関など、関係者調整が大変
プロジェクトの担当は渋谷さん+上司2名の3名
ただ、上司もこのような訓練をやったことが無い
そもそも上司は他の大きなプロジェクトで忙しい
このため、新人の渋谷さんが実質1人で担当する、ワンオペ状態
前任者のサポートは得られない(数百キロ離れた拠点に異動) ※Web会議も普及していない時代
部署内の他の係はこの仕事に関与していない
他の仕事を沢山掛け持ちしながら実施
Zoomの画面を見つめながら、思わず「無茶だろ・・」とつぶやいてしまいました。1年目の職員が、サポートなしにいきなり担当するのは難易度が高すぎるのでは・・!?実際、他の参加者からも「1年目には無理があるだろうというレベルで、相当大変だったのでは」という声が挙がっていました。
渋谷さんは「逆に1年目で鍛えられたかも」と笑っていましたが、私が新人で同じ仕事を任されたら、辛くて体を壊すと思います。
30代半ばになった今なら、この状況に投げ込まれても力業でなんとかできるかもしれません。でも、もし今後部下が出来て、同じ仕事を任せる側になったら、部下が潰れてしまわないか心配・・・というのが正直な感想でした。
タスクや関係者を見える化するだけでも、安心感が違う
意見交換では、プロジェクトマネジメントの視点での改善アイデアが色々と挙がりました。この手のアイデアに正解は無いと思いますが、個人的には事務局の渡辺さんからも意見が出た、WBS作成とステークホルダー(関係者)の洗い出しの2つが効果的かなぁと感じました。(WBSという単語を初めて聞いた方は、やることを分類立てて整理した一覧表をイメージしてください)
やることと関わる人が見える化出来るだけで、全体が見通せて、安心感が違います。そして資料化することで、いろんな人に助けてもらいやすくなるのもいい点ですね。他の係に手伝ってもらったり、前任者にメールで相談できれば、心強いです。
将来部下ができたときには、WBSと関係者一覧を一緒に作るところから始めたいと思いました。これならなんとかなりそうな気がします。それでもめちゃくちゃ大変ですが・・・
マネジメントの本来の意味は“なんとかする”
昔プロジェクトマネジメントの講師さんに教えてもらった印象的な言葉があるのですが、マネジメントの本来の意味は「管理」ではなく、「manage=“なんとかする”」なんだそうです。語源は馬術・馬の調教だとか。
実際の業務を題材に、「なんとかするには?どうしたらいいか?」というマネジメントの一番大事な部分を考えることができた、面白い勉強会だったと思います。
次回も初めて定例会に参加してみた感想や、今後の行政コミュニティに対する期待についてレポートしますので、ぜひお楽しみください!
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