【事実】 きれいな買収はあり得ない Vol.2完【ドタバタの完了】

合併前日になって売却側は売却物を決められなくなってしまった。 

合併当日 朝6:00 売却側へ交渉

さすが、南国の地だ。 朝6:00に集合と言ったのに、ほとんどの当事者が来ない💦


合併当日 朝7:00 今度こそ売却側へ交渉

それでも、1時間遅れで全員が集合した。

ここからは、関係者を納得させる必要がある。


私から

- 本日のタイムスケジュール

- 売却物を決めるルール

を説明した。 全員に理解してもらうために、私の下に居る現地Managerに現地の言葉に通訳してもらいながら。


全員、理解してくれたようだ。

そして、最後にまとめた。

「このタイムスケジュールに間に合わない物は、譲渡受けないから」


そこからは、買収する側のメンバーが分析を駆使して、「これはさっきのルールで譲渡対象、こっちは対象外だ」を提示した。

5秒以内に売却側がクビを縦に振らないものは、売却側のサブチームで 詳細検討することにしていた。

2時間後、メインの物の譲渡対象が決まる。 買収側のシステムに入れ始めていく。

合併当日: 昼

譲渡対象の査定を売却側・買収側 経理責任者の合意を取り付ける。

しかし、まだ売却側で詳細検討しているものは検討中だ。

再度、全員に言い放つ。「あと1時間で決定できないものは、譲渡受けないから」

実際には、2時間くらいは待てる。 しかし、南国のこの地は1時間が2時間くらいで受け止められていることを理解した私は、1時間と言い放つ。

合併当日:2時頃

ようやく、売却側で詳細検討していたものを、判別が終わり、買収側のシステムに入れられたようだ。

これまでの間に、買収側 CFO、買収側 CFOなど関係者に1時間毎に連絡を入れていた。

しかし、ここから査定額を買収側で審査に入る。

「これは、この方法で査定ですよね? この額で合ってますか?」

「この価格は過大評価じゃないか? これまでの価格履歴は?」

契約書の内容を再確認しながら、大詰めを迎える。

合併当日:午後5時50分

売却側・買収側 双方のCFOは合意した。


合併当日:午後6時

「譲渡完了」のメールを関係者全員に入れる。 色々と焦ったところは有ったが、1分の遅れもなくタイムスケジュール通りに事は進められた。 

ギリギリの時間まで水面下で交渉・手続きをすることもあったが、結果としては“予定通り”と報告して終わりである。

買収側・売却側 のステークホルダーの合意を粘り強く取り付けることがPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)の仕事である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?