(はじめに)ITプロジェクトの状況・結果をどのように判断していけばいいのか
私はIT企業で、システム開発プロジェクトをサポートする業務に従事しています。
入社から15年ほど、システム開発・運用を経験した後、PMOとして年間70ほどのプロジェクトの状況を監視・支援しています。
そうした中で思うことは、プロジェクトは『第三者がどのようにしたら正確に状況を把握でき、何かあった際に迅速に対応できるか』ということです。
そのためには、客観的な判断基準となる定量的な数値が必要であると考えます。
定量的でない現場からの報告は、『順調です』『少し遅れていますがなんとかします』など主観的で曖昧なものになり、時にはうまくいっていないことを隠そうとします。
そこで今回は、プロジェクトの定量的な測定方法について、自分なりに学びながら整理していきたいと思います。
まず、『なぜプロジェクトの状況や結果を測定する必要があるか』ということです。
それは、プロジェクトは計画に沿って進めていくので、その計画と実績の差異を比較することで遅れやコスト増などを把握したいからです。
そうすることで、改善点を明らかにし、より効率的・効果的なシステム開発にしていくことが可能となります。
次に、プロジェクトの中で『どういったものが測定できるのか』ということです。
よくある例としては、進捗指標としてプログラムの作成本数や設計書のページ数があります。
他には、ある一定期間でのコストの予実などがあります。
他にもたくさん測定できるものは存在します。
しかし、測定することは、開発現場の負荷とのトレードオフになります。
なんでもかんでも測定しようとすれば、測定値を取得することとそれを管理することに多大な時間と費用がかかることになります。
その結果、プロジェクトの生産性や品質の悪化に繋がることもあります。
それでは、プロジェクトの本来の目的からは逆の悪影響を与えることになりかねません。
ですので、ここでは測定可能なものをいろいろ挙げてみますが、実際の現場ではプロジェクトの特性に合わせて、取捨選択していくことが重要です。
まずはプロジェクトの目的を明確にして、それに合わせた測定項目や測定方法、測定レベルなどを設定していきます。
今回は、プロジェクトで測定する目的と測定する際に留意すべきことを見てきました。
次回以降、実際の測定項目をカテゴリ毎に一つずつ取り上げて深掘りしていきたいと思います。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
◆参考文献
プロジェクトの「測る化」日経BP 藤貫美佐著
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B075K1NFNN/
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