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母の日

昨日は母の日だった。

子供の頃、少年野球をやっていたとき、母が見に来ることが心底、嫌だった。だから、「絶対に見に来るな」と言っていたことをよく覚えている。

今考えると、真剣に取り組むこともなく、基本ベンチ組、ライパチ(最低限のレギュラー)未満だった自分にとって、母が見に来ることは屈辱以外の何物でもなかったのだろう。

仮に活躍していたとして、それを母に見て欲しかったかといえば、それはよく分からない。別にそんなことはなかったかな、とも思う。

10代の頃は基本的に母と出かけたりすることも嫌だったことを覚えている。端的にあまり関わりたくなかったのだと思う。よくいる思春期男子だったのだ。

そんな調子だったので、20代前半までは母の日といえど、一切何もしてこなかった。

自分が歳を重ねてからは、一応、母の日は母へ花を送ったり、食事をしたりすることもあった。が、まあ、律儀な方ではないから、特に何もしないこともあった。

それでも、ふと、今年も母の日だなと、今年は36歳になる年か、もう良い大人だし、どうしようかな、、、とぐるぐる考えていた。

結局、気の利いたプランは浮かばず、SNSで

「母ちゃん大好きやで」

と一度も言ったことがないようなメッセージを送った。

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めちゃくちゃ恥ずかしかった。

顔から火が出る、というのは当にこのことを言うのだろう。

だが、今までで一番喜んでくれたような気がした。

食事をしたり、花を贈ったりしたときよりもずっと。

そして何より、満たされた自分がいた。

人生は儚い。

今日、何気なく会った人も、もう二度と会うことはないかも知れない。

自分が本当に思ってることを伝えないまま、突然の別れが訪れるかも知れない。

そんな感情が、そうさせたように思う。

母ちゃん、大好きやで。

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