「賢い子」に育てるために

子どもの伸びしろは5歳までに決まる

と言う話があります。それと同様に、

中学生になってから伸びる生徒は「小5まで」に決まる

小・中学生と接していると、そんな風に見受けられることが多々あります。


10歳(=小4・小5)頃は、「粘土が固まっていく」時期。つまり、物事の捉え方や考え方が、ある程度方向づけられる大切な時期です。


この時期に誰と出会い、何を感じて、どんな時間を過ごすのか・・・それが大切になります。


小学2~3年生までの子どもたちは

1:気になったものを、はじから全部吸収する

2:実際に使ってみたり、確認したりする

3:必要がないと判断したものを捨てる

こうした「3つのステップ」で学習を進めるそうです。


3~4歳の子どもたちは好奇心のカタマリ。

あっち行ったりこっち行ったり、「これ何?」「なんで?」と質問ばかりで、一日中付き合っていたら目が回りそうな大変さだったと思います。

それは目につくものすべてに興味を示し、それに近づいたり触ったりしようとするからです。

そこで一旦吸収したものを、年齢が上がるにしたがって、自分にとって必要ないと判断したものを捨てているのです。


その時期を超えてもたくさん「残っている子ども」は好奇心が強くなり、「残っていない子ども」は目の前の物事に対する処理能力に特化する傾向があるそうです。

家庭での「なにげない日常会話」を大切にしているか、がその分岐点になっている気がします。



これを勉強に置きかえると、

「なぜそうなるのか?」と知りたがり、過程を大切にするように指導されたので、応用力が身についた子ども

目の前の問題の「解き方」に特化した指導をされたので、応用力があまり育つ機会を得られなかった子ども

にグループ分けすることができます。


つまり、

「なぜそうなるんだろう?」という過程を大切に指導すると、答えよりも「過程」に興味を示すようになり、説明を聞き終えたときに「要するにこういうことだよね?」と正しく要約することができるようになります。

だから賢い子どもに育ちます。

それに対して、処理能力に特化しすぎて「こうやれば答えが出るでしょ」と指導すると、「要するにどういうこと?」が分からないので、必ず誰かに教えてもらおうとします。残念ながらそれでは、本物の実力も、応用力も身につきません。


だからこの時期には、

「答え」を早く出させる勉強だけでなく、じっくり「考える」習慣を身につけさせること。

そして、

「詰め込み」でも「単純作業」でもない勉強にじっくり取り組む時間を作ることで、子どもたちが「分かるまでじっくり考えること」が正しいと認識するように指導すること。

この2点を大切にして子どもと接することは、「賢い子ども」に育てる上でとても重要なポイントです。