今年も「九九」の季節が来ました

今年も「九九」暗記の季節がやってきました。


小2ワンコベで、私が最も大切にしている分野です。

ただしそれは、一般的な「算数を勉強する上で、九九はとても大切です」という意味で「大切」と言っているわけではありません。

九九を覚える 「過程」 が大切です

という意味で言っています。



先々週から、九九の暗記に入りました。
ですから、先週・今週のワンコベは、「チェックテスト」から始まっています。

スムーズに答えられる生徒もいれば、途切れ途切れで答える生徒もいます。

スムーズに答えられる生徒は、すぐにいつも通りの課題の流れで勉強を進めます。
一方、途切れ途切れで答える生徒には、ワンコベ内で覚えてもらいます。
(全く覚えてこない生徒には、申し訳ありませんが補習塾ではないので、対応はしていません)


今日の生徒は、途切れ途切れ・・・というよりも、2の段であれば「その場で2を足して答えを出す」という生徒でした。

ここ数年、おそらく暗記する段階で誰かに「2を足せばいいんだよ」と教えられている、もしくは本人が気づいて、「その場で2を足せばいいや」と考える生徒が増えています。(というか、ほとんどの生徒がそうするようになってしまいました・・・)

当然のことながら、それは6の段・7の段・8の段・9の段で苦戦することは目に見えています。

だから私は、絶対にそういう指導はしません。
(小学1・2年生から「その場しのぎ」の勉強をしてしまうと、それ以降もとても苦労することが目に見えています)


あくまで「そのまま覚えなさい」と指導しています。


今日は、たし算で誤魔化していることを指摘するところから始まりました。
「なぜ誤魔化してはダメなのか」
「覚えないと、どんなときに苦労するのか」
「どういう気持ちで、どういう勉強をして欲しいのか」
ということを、少し未来の話をしながら説明しました。

すると彼女は理解してくれて、早速、教室で覚えなおしです。


繰り返す
何度も繰り返す
しつこいほど繰り返し言う

ホワイトボードにいろいろ書きながら覚える
後ろを向いて、覚えているかチェックする
先生のところに確認テストをするために来るが、不安だから「ちょっとまって、もう1回」とまた教室に戻ってチェック
ホワイトボードに、「これは言える」「これは言えない」と区分けして、「言えない」をたくさん練習する
途中でめげそうになったら「これをおぼえたら、すきなものをかってもらえる(うそ)」とホワイトボードに書いて自分を励ます(笑)


練習の様子は、こんな感じでした。


勉強の仕方は教えていません。
ただ「見るより、書くより、言った方が良いよ」とだけアドバイスしました。


小学2年生でも、「覚えなきゃ!」という強い気持ちを持つと、こんなにいろいろ考えて工夫をするんだ、と感心しました。
(でも実際には、「何をすればいいか」がハッキリしているこんな状況でも、固まって何も動けない生徒・・・実はたくさんいると思います)

そして、何度も何度も繰り返し九九をつぶやいている姿が、とても健気でした。



小学高学年、中学の生徒の中には、暗記の努力をせずに「覚えられない」「解けない」「わからない」と言っているだけ・・・という生徒もいます。

おそらく彼ら・彼女らは、小学低学年の頃、こうした「覚える努力」をしっかり積み重ねて来なかったのでしょう。
誤魔化しながら来てしまったのでしょう。
もしくは、無理やり、嫌々、覚えさせられてきただけなのかもしれません。



「もう嫌」「もう無理」「できない」・・・。(ここまではみんな同じです)

でも・・・「がんばってみるか」とやってみる。
自分でがんばると決めて、必死に努力をすると、結果は必ずついてくる。
だから、クリアするとっても嬉しい!

こんな経験をたくさん味わってもらうこと、これが「九九」暗記の過程を通して、一番大切にしていることです。



家だと「やりたくない」「無理」と言ってごねるところでも、塾だと「仕方ない、がんばってみるか」と思ってもらえる。
そんな関係性を作ることも、塾の仕事の1つです。

それには時間がかかります。

だから、できるだけ早くから塾に通わせてください!