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Amazonプライムビデオお薦め⑥『幕末太陽傳』デジタル修復版

今回は日本映画のクラシック(名作)の一つ『幕末太陽傳』をご紹介します。

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さて、この映画ですが、いわゆるドラマがあるとか、ストーリー的に引き込まれるというものでもありません。また、派手なアクションシーンやラブシーンがあるわけでもありません。それでもこの映画が歴史に残る日本映画の名作とされているのはなぜでしょう。

個人的には、それは映画が「シャシン」と当時の映画関係者に呼ばれてたことが典型的に示しているように、映画というのは写真の連続、つまり魅力的なシーンとシーンを繋ぎ合わせていけばそれは当然魅力的な映画になる、ということだと思います。この作品、落語が元ネタとなっていることもありテンポよく進みますし、基本的に舞台はいわゆる遊郭の中だけです。それでも主人公の「居残りさん」(フランキー堺がすばらしい!いまだったら大泉洋が適役かも)がいわゆる物語の回し役となり、遊郭で働く人たちやそこに通う客、そしてそこにこれもある意味居座っている攘夷派の面々(若き石原裕次郎が高杉晋作役をやっているがそれがめちゃくちゃかっこいい)などのそれぞれのエピソードがうまくつながれていきます。デジタル修復されているだけあり、今見ても映像の衰えは感じません。むしろ物や人の配置、カメラ割、アングルとうの映像的演出は、この時代で一つの完成形を迎えていたことに改めて気づかされます。また編集や音楽も既に完成されています。全く同じことを今やっても、今の最先端の映画として評価されるでしょう。

この映画の監督の川島雄三氏ですが、残念ながら45歳の若さで亡くなってしまったそうです。しかしその作風を引き継いだのが、この作品でも助監督として名前が載っている今村昌平監督であると言えるでしょう。Amazonプライムビデオではその初期の代表作である『豚と軍艦』も見ることができます。そちらもお勧めです。





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