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Amazonプライムビデオお薦め②『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』

今回お勧めするのは鈴木清順監督の隠れた名作『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』です。

こういう作品がこっそりと入ってしまっているところもAmazonプライムビデオの魅力です。

一応「ハードボイルド作品」と銘打たれていますが、そこは鈴木清順監督のこと、ハードボイルドというよりはおしゃれでキュッチュなコメディテイストのある作品に仕上がっています。

宍戸錠さんのダンディかつ3枚目要素もあるキャラクターも魅力なのですが、とにかくその世界観というか街の描き方が、本当に1963年の作品なの?と思うくらいにかっこいい。当時としてはまだ珍しいカラー作品なのですが(というか当時とては新しさが売りのカラー作品だからこそ)、探偵事務所内や街のクラブなどの色遣いやセットがとくかく素敵。ある種のミュージカル仕立てのクラブシーンは、拳銃を使ってのアクションシーンに加え、これぞ娯楽としての映画、こんなところに行きたい、こんな生活をしたいと今の時代でも思わせてくれます。

主役の宍戸錠(当然役中での名前も「ジョー」!)に加え、脇を固めているのも、川地民夫、金子信雄、佐野浅夫と個性派ぞろい。川地民夫を除き、いわゆる二枚目と言われるタイプの俳優陣ではないが、「いい顔」をしている俳優さん達がこの時代は多かったんだなと確認させられます。ご存じのように宍戸錠さんは本来は二枚目なのに敢えて頬にシリコンを入れています。

一方、女優陣で意外だったのが、探偵事務所の秘書?役で出ていた眼鏡と関西弁が印象的な初井言榮さん。後年の老け役が印象に残っているのですが、若いころはこんな役もやっていたんだ、しかも素晴らしい演技で、と感動しました。

鈴木清順監督というとちょっと癖の強い個性派監督かなと遠慮される方には監督を意識しないでも全然見れる娯楽作品です。日本映画全盛期の特上の豪華エンターテイメントはこういう作品だったんだな、ということを改めて確認するうえでもお薦めの作品です。

是非、ご覧ください。

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