見出し画像

数式の憂鬱

元々真理だけを追い
定義ありきで
それを踏まえた条件を並べ上げ
理屈を押し付ける
まるで自分が解き明かした真実のように
言葉を振り翳す
そんな理学書も
複雑な数式も
「気持ち」や「間」なんて
「込めて」も「開けて」も
同じ答えにしか
行きつかない

でも詩は違う
ここに綴られた言葉は
「取り方」「捉え方」で
十人十色だ

今更慣れていないから
なんて無責任な逃げ技も使えない
顔も本当の名前も
ましてや今の表情なんて
分からない相手に
綴る言葉
どう伝わる

春分を経て
夏至へ向かう陽
ひかりあれども
我に当たらず

波打つ空も
雲かかる海も
明日は元に戻るだろうか



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?