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第2回 風船バレーは嫌いだが大切

【知財でポン】誕生の経緯 第0回(序章)

ゲーミフィケーションと「活動分析・・・要素化」

『なんでもあそびデザイン』のはしもとです。
今日は気まぐれに、第1回目と打って変わって、ゲーミフィケーションのデザインと『遊びの要素化』について、自分なりに少し書きます。

アナログゲームとは違う福祉レクリエーションという分野から書き始めますが、最終着地地点はアナログゲームのデザインとしての考え方、とりわけゲーミフィケーションで使えるメソッドなはずです。
(話の着地地点がズレたらドンマイ♪ ← あやまれっ!おれ!)。

割に重要な考え方だと思うので、最後までお付き合いいただき、ゲームのデザインの参考にしてもらえればと思います。
※ホント、最後まで読んで!!

風船バレーって ご存じですか?

風船バレーってご存じですか?
バレーボールの代わりに風船を手で打ち合う・・・スポーツというかレクリエーションゲームというか、そんな感じのものです。
座ったままできるのと、あまり激しくないので高齢者のデイサービスの活動に適していたりします。

福祉レクの『風船バレー』が嫌い。。。

どこでもと言うわけではありませんが、高齢者施設のレクリエーションの時間で「とりあえず風船バレー」が行われることがあります。

「あえて言おうカスであると・・・」
   (←言いたかっただけで「カス」ではありません。申し訳ない。)

何が言いたいかと言いますと、この考え方は安易なのです。『なぜ』風船バレーなんでしょうか? 使い勝手がいいから? 受けがいいから?

そうした考え方で使うのも良いのですが、昭和からの贈り物をそんな感じで使うことは担当者の体たらくと思っています。
※20年前、私が福祉の専門学校で講師の時、生徒に同じ話をしました。今や令和の時代。風船バレーの安易な運用がされていませんように。

だから風船バレーが嫌いなのですよ。あまり考えずにやってもウケるから。
← 嫉妬??

風船バレーに隠された意義と輝かしい誕生の経緯

ところでなぜ「風船バレー」が生まれたのか知ってますか?
・・・という知識を問いかけるよりも、なぜ『風船バレー』が生まれたか考えたことがありますか?とみなさんの知恵の方を、私は問いたいです。

そこに風船バレーの大切さがあります。

諸説ありますが、「バレーボールを楽しみたい」という高齢者のニーズがあって、「早く動けない・立ったりすることが難しい・片手しか使えない人がいる・素早い反応ができない」という高齢者の現状(条件)があって、それでも何とかならないかとアレンジしてできたものが風船バレーです。

バレーの楽しみを損なわず バレーを楽しむ

バレーの楽しみを損なわず、厳しい条件の中でバレーを楽しむことはできないのかと考えたとき、最初に取り組んだことがバレーボールの『レクリエーション財の活動分析』です。
『レク財の活動分析』とは福祉レクリエーションの考え方なので「身体的要素」「知的要素」「情緒的要素」「社会的要素」という4つの視点からバレーボールを要素化し、いわゆるバレーボールのエッセンスを取り出します。

実際いろいろな要素ありますが、今回で記述することは肝の要素のみにしますね。
「手で打つ」「ボールを次につなぐ」「チームで戦う」「決められた回数で相手に返す」・・・この4つがあれば基盤となるバレーの楽しさを維持できるんじゃないでしょうか。
※ブロックの読み合いやサーブの種類とか速攻・Aクイック・一人時間差・ブロードとか、そういうことじゃなくて基本的なところね。(←ハイキューかよっ)

その取り出した要素に、高齢者の現状の条件・・・これも要素として捉え、「素早く反応しなくても良いもの」「大きな動きが必要ないもの」「座ったままできるのもの」とアレンジしてみちびきだした答えが、ボールを風船にするということ。そうすることで、ゆっくりラリーができてバレーボールの基本的な楽しみを損なわず、気軽にバレーが楽しめる「風船バレー」が誕生したという経緯があります。

そして、この一連の流れには「バレーボールがしたい」というニーズに、どう応えるのかという工夫があるということです。ニーズの応えようとして完成された「風船バレー」は大切ですし、もはやゲームにおいても福祉サービスにおいても見本になる経緯かと思います。

ただ悲しいかな、バレーボールのニーズもないのに「とりあえず風船バレー」は福祉的にもなしですし、ゲームデザイン的にもなしです。

この考えをゲームデザインに活かす

この考え方はゲームデザインでも生かせます。特に既存の現象や制度、社会、スポーツをテーマにしたゲームを作る時には、

1.テーマを活動分析する(いろんな角度から要素化する)
2.テーマの核となる要素(エッセンスともいうべき要素)を見つける
3.エッセンスとなる要素からゲームの楽しさを導き出す
4.ゲームのシステムに乗せる(勝敗のシステムや進行のシステム等に馴染ませる)
5.ゲームへのアイデアの足し算・引き算(引き算の方が結構大切)

最後にゲームバランスをざっくり調えて、テストプレイ。
テストプレイでのプレイヤーの反応、届けたいものが届いているか?
ワクワク感があるか、想定外の反応がないかを見ながら、フィードバックしてもらうと精度が上がるはずです
(テストプレイは心が折れる時があるよ♪ でも聞いた方が良いよ♪)

ゲーミフィケーションに活用する

”ゲーミフィケーション(英: gamification)は、ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用することを言う。”・・・とウィキペディアに書いています。私が知っている限りでも、業務内の課題解決やチームビルディング、教育、学習効果を期待した教材づくり、療育のためのメソッドなど広範囲に及んでいます。

こうしたゲーミフィケーションこそ、活動分析による要素化は欠かせないと考えています。

実際、私は知的財産権学習カードゲーム「知財でポン」をゲームデザインするにあたり、活動分析による要素化は重要視しました。
※その作成経緯は次回以降に記述します。お楽しみに!!

テーマのきめ細やかな活動分析が必要なことは当然ながら、純粋なゲームとゲーミフィケーションの活動分析の大きな違いは、
・問題・課題となる現状の活動分析
・ゲーミフィケーションで求められる効果を要素化(活動分析の応用)
・対象者の状況・条件の要素化
が強く求められることですね。
あとゲームを体験した人に何が残るのか?何が伝わったのか?も重要な視点です。

以上で軽めですがゲーミフィケーションと活動分析による要素化の話は終わりにします。次からは内閣府のFacebookにも載った「知財でポン」の作成経緯を書いていきますね。ここで書いたことも基本の部分で使っています。
(うまく書けるかのかなぁ。活動分析してないやんと言われたら、「頭の中ではしてるねんで」と言い訳する予定です。)

まあ、そんなこんなで長文乱文、お読みいただきありがとうございました。
1週間以内にはアップするので、次回もご期待ください。

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