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そそのかしに手馴れてきた(スタッフ日誌)

出勤したら羽地さん(所長)がすでにいてコーヒー豆を挽いている。日曜にオフィスであった講座の名残を片付け、植物に水をやって、羽地さんからコーヒーをもらう。

メールの返信。ホームページについての問題がひとつ、その代替案がひとつ。それからものすごくうれしいメールが来ている。研究所で働く前からつづけていたワークショップの仕事を、研究所の名義に引き継ぐかたちで担当しつづけられることになった。メールをなんかいも、なんかいも読む。

羽地さんに「とてもていねいなメールをいただいて、研究所としてつづけていいことになりました」と伝えたら、「では、とてもていねいにお返事してくださいね」といわれた。ほんとうにそうだ、絶対にそうするのがいい。

とてもていねいにお返事をする。

敬語をきちんとするとか、宛名書きをきれいにつけるとか、そういうこととは別にあるていねいさのことを考える。


年賀状の宛名入力。金曜日、羽地さんがいないあいだにうららさん(先輩)のアイデアをもらってデザインを改良した振り返りシートを羽地さんに見てもらう。これは一度わたしと羽地さんのふたりがOKを出したデザインにうららさんがテコ入れしたかたちであり、しかもそれがまた段違いに改良されているので、適当なデザインを通していたわたしと羽地さんとしては反省会の様相を呈する。

「わたしは機能にとらわれがちで、デザインはうららさんのほうが圧倒的に目が効くんですよね……」とつぶやいたら、羽地さんが大きめの声で「そうだね!!」といった。大きめの声で言ったな……と思う。

年賀状の宛名入力。

羽地さんから「研究所公式note(ここ)のトップに、羽地さんのnoteに投稿した記事が表示されるようにしたい」という要請があり、「むりです」といった。むりだからだ。マガジンを使えば一覧することはできるけれどもそういうことではないという。

「じゃあ羽地さんのnoteとはまた別で公式noteに『羽地コラム』みたいなコーナーを作りましょうか? 個人noteに書いているメモとか日記より、もっと読みものっぽいものを……」

と提案したら通り、羽地さんがコラム連載をはじめる方向に持っていくことに成功した。わたしはつねに羽地さんに書かせたくてしょうがないので大成功と言える。うららさん(先輩)もスタッフ日誌をはじめたし、そそのかしに手馴れてきた。

しかもこれはいまこうして日誌に書くことで退路をふさごうといういやらしい魂胆で書いている。書くことを専門にしていないひとが目の前で書きはじめるのには、寡黙なひとがぽつぽつと語りだす瞬間のようなうれしさがある。

どうすれば羽地さんが書きやすいか、羽地さんの魅力がつたわる書きものにできるか、と企画を考えはじめたけれど、その作業だけで無限に時間がすぎそうだったので、とりあえずメモ用紙をとても遠くに置くことで中断した。今はそれよりも年賀状の宛名入力をいそがないといけない。あたらしいことをはじめるのは、おもしろすぎてあぶない。


年賀状の宛名入力。荷物の集荷をたのむ。年賀状の宛名入力。

年賀状の宛名入力はとてもたくさんある。灯油ストーブがいつのまにか切れていることに、手がかじかむまで気づかなかったし、手がかじかんでいることにも「経営スタッフ」を「えいえいスッタフ」と打つまで気づいていなかった。「えいえいスッタフ」の目覚ましいかわいさ。「経営スタッフ」のゆうに七十倍かわいい。


わたしがそそのかしたうららさんが前回の日記でこんなにまじめに「日誌」のなんたるかについて考えているのに、そそのかし元のわたしときたらえいえいスッタフだなんだと書きまくっている。ほんとうに日誌とはなんだろう。


(くじら)

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