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秋田での雪道演走(SPACE LABO 2021)

2022/01/24(Mon.)

 今日は秋田滞在の本格的に作業を進められる最後の日です。これまで秋田市内の路地を散歩して見つけた面白い景色やサウンドを辿れるルート譜(滑琴用の規範的楽譜)を作成しました。今回の作譜は試作的な意味合いが強く、実際のパフォーマンス作品のためというより、ルート譜・マッピング譜の新しい書き方ようなつもりで市内各所を巡りました。

▲グラフィカルな印象の秋田市内のルート譜
▲雪の中を苦戦しながら演走(えんそう)

 また実験として、除雪によってできた雪の壁にグラフィティを書く実践を行いました。秋田の街を歩いていると歩道と車道の間に除雪作業によってできた雪の壁に手の形が押されていたり、落書きをされていることに気づきました。特に雪玉を作るために手で雪の壁を崩した場所が市内に何箇所もあり、サブリミナル効果のように僕の印象に残りました。また京都に比べて看板や電柱にグラフィティがたくさん書かれているのも印象的でした。これらの経験から、雪の壁にまるでグラフィティを書くようにイラストを描けないかと思い、ピンクのあいつを象ったダンボール板を用意して、雪の壁に押し付けることで何箇所にもピンクのあいつを召喚しました。
 滞在中に気になった場所を巡りながらピンクのあいつのスタンプを雪に押していくため、今回のルート譜を演走するためには1時間ほどかかってしまいました。正直、パフォーマンスとして見せるには冗長な印象があり、もう少し構成をしっかり見直さないと作品にはなりませんが、今回は市内調査の滞在という名目において、展示とルート譜の作成、それから演走の実施を行うことができ、充実した滞在制作を行うことができました。じっくり滞在して街に体を慣らすことも大事ですが、兼業作家として他の仕事の都合もあるため贅沢は言ってられないので、ひとまず今の自分にできるベストは尽くせたでしょう。

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