見出し画像

良くも悪くも

「どうして社食、食べないの?」

この職場に来る以前からよく聞かれたのは、自分がいつも弁当持参だったから。
と言っても自分の弁当ばかりだと飽きるので、時折冷凍パスタを持参していたりとか。

あとは、その日によって食べたいものが変わる。あたりまえなのだろうけど。
そう、あたりまえであって、世の人々はそんなに食べ物のことばかり考えているわけではないのだろう。でも、私は食い意地が張っているので、高価でなくとも、その時に食べたいものを食べたい。
ある時は蕎麦ばかり食べていたりとか。

社食だと、肉やパスタを食べたいと思っている時に魚を出される可能性も大。そういったことで人様が作ってくれたものに文句を感じたくないからでもある。

魚と言えば、そう、魚だ。元々魚は嫌いじゃない。

が、一度冷凍された魚を解凍して料理されたものだと、どうしても匂いが気になる。こう書くと何だか神経質そうだったり、よほど良いものを食べて来たかのような感じだが、なんてことはない、地方育ちだったというだけ。

九州も北海道も、大人になるまでに居た地域は魚が安くて美味しいところだった。

「じゃあ、田舎育ちだから東京の魚は生臭いと?」

い、いや、東京でも美味しい魚があるということは知っているけれど、業務用の食事はみんな冷凍ですよね?

と、以上、大変感じの悪い人間性が出るようなことを長々と質問に答えていて、ふと思う。

この人は、どうして私の食生活についてこうも話を引き延ばすのだろうか?
うちのケアマネさんである。
(初対面の時、灰皿を蹴った人。)

すると「美味しい寿司屋があるから連れて行くよ。〇月〇日の夜、空けておいてよ。」と、話の後半も後半、だいぶん後になってから言って来た。

何のことはない。食事に誘おうとしたけど、何が好きで嫌いか?というのをリサーチしてくれていただけだった。

ショートカットでさばさばした話し方。江戸っ子という感じの年上の女性。しかし、いつぞや「雪が降ったら雪かきしてやっからよ。」と言っていた時同様、なんというのか、繊細だ。感情にまつわることはストレートに言わない。(その時は『この職場、辞めないでね。』という真意が、まわりまわって「雪かきしてやっからよ。」という荒っぽい言葉になっていた。)

私はというと、その真逆で「わあ!」とでかい声をあげる。「嬉しい!連れて行って下さい!」と。

そしてガタイの良いMrs繊細さんを赤面させる。

それにしても、その日まで一か月ほどもありますね?

「ずっと先の方が予定を空けやすいかと思って。すぐ予約するね。」

とても気遣いの人である。思わず先日、不意打ちとだまし討ちで人を誘う人が居たことを思い出し、「大違いだ・・・。」と思う。

同じような年ごろでも言葉や行動の一つ一つにその人が出る。私も気を付けよう。できれば、このMrs繊細さんの方を手本にしたい。

でも多分「どこそこ行こうよ!」と真正面から言うだけだと思う。二人のうちのどちらでもない。なりたいなりたくないの如何に関わらず、どちらにもなれないのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?