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先生、ありがとう

今日は、産業医の先生と衛生委員会を開いて、これから始まる職員の第三回目のワクチン接種について話し合った。その中で、産業医の先生が、此度ご自身のクリニックをクローズして退職なさるというお話が出る。

こ、こんな大事な時期に?

その他、昨日から色んな情報やトラブルが舞い込み、これはあくまで私の脳みその容量の問題なのだが、既にキャパオーバー。それより何より、先生がお辞めになるなんて!これは心情的にも、状況的にも危機的な状況だ。うちの職員の健康をこれから誰に診て貰えば良いの。

「先生、何とかなりませんかね?」と辞めないで下さいアピールをしたところ、『そんなこと言ったってね、あーた。あたしも、もう75歳よ。』とのこと。

これにはビックリだ。肌は真っ白でつるんつるん。貫禄故に自分よりは多少年上だろうと思ってはいたが、まさかそんなお年だったとは。

先生は、元々は薬剤師さんだったらしいのだが50歳を過ぎたある日、『何で、こんなに(たまたま当時の先生の周りにいた)医者って使えねーんだろ!?』と思われたそうで、『こんなことなら自分でやろう。』と、本当に医師になってしまわれたとのこと。50を過ぎてからのこのバイタリティ、恐るべし。あきらかに普通の人じゃない。

「そうですか。。。。今まで大変お世話になりました。それで、これからもずっとお世話になりたいんですがダメですか?

そう言うと、ブっ!と吹き出して、素敵な笑顔を見せて下さったものの、やはりこの我儘は通らず、お別れしなくてはならない。

仕事とは、好き嫌いに関わらず様々な出会いを運んで来るものだけど、しばしの間、縁あって関わらせていただける歳月というのは、本当に貴重なものなのだなと思った。

誰もが、ずっとそこに居るわけではないから。

自分で言っておいて何だけど、ずっとお世話にならせてくれはダメですね、やっぱ。

いただいた分を誰かや周囲や社会へ還元して行かなくては。

***

昨日、この世間からいただいた迷惑な出来事や諸問題の詰め合わせ。本当に面倒だったりバカバカしかったり。

でも、委員会を終えて、先生を玄関まで送り出した後、片っ端から手をつけた。話をつけた。片付けまくった。よくやった、自分。

でも、先生なら、もっと綺麗に片付けただろうなあーと思い、ふと見上げた美しい月夜。

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