お試しか
今の職場に入った当初、ビックリするようなことが色々あって、それは小さな法人の中で何十年も続いてきた習慣に纏わることが多かった。
長年勤めている人が定めて来たやり方で、全然時代にそぐわない。どれだけ君たちが新しい意見を拒んで鎖国状態を選んでいたかが良くわかる。
外を知らないということは、恐ろしいことだなと思う。その職場では常識と思い込まれていることが、世間一般から見ると非常識どころか異常なのだから。
中には、看護云々ではなくて『え?こんなことしてんの?ここ、東京でしょ?そして今は2023年だよね?』というような問題も多々ある。
特に古参が多い事務系職員さんは私を地球外生物のような目で見る。
禁止事項が多すぎると創意工夫もゼロ。それをしようと思う概念さえ無くなるようだ。
普通という言葉を乱用するのは良くないことだが、看護業務も普通にやれば済むことなのにわざわざ大変にしたりしている。
が、最近、先輩に『この処置台のレイアウトを好きにしても良いですか?』とか、『往診のシステムをこれこれしかじかというふうに変えて良いですか?』等、色々持ちかけてみると快く応じてくれる。
文字に起こすと何でもないことのように思えるが、派遣は正社員より身分が低いという常識が存在しているので、許可が下りただけでも凄い。
そんな調子で三つ、四つと変える度に『なに!これ?!』と声が聞こえる。
え?変えても良いって言いましたよね?だから変えました。
『いや、これ、やりやすいんだけど。わかりやすいし。ってか、『やっていいよ。』って言ったの、ついさっきだったのに。もう変えたの?早すぎる。』という良い意味での驚きの『何、これ?』だったらしい。
早いと思われる理由の一つは『変えても良いですか?』とお伺いする前に準備しているからなのだけど。
それをよく思わない人も居て、『勝手にやらないで』と言ったり不機嫌になったりするのだけど、『Aさんに許可貰いましたよ。最初は嫌でしょうけど、まずはこの方法でやってみてください。』とさらりと答え、次の改善点を考えて工夫する。
そして、3日後、7日後、一か月後、皆さんが『いやあ、いいね。これ。』と慣れてくれるし理解してくれる。
受け入れて貰えるとありがたい。
こうなると面白くなって来る。
無意識なんだろうけど、『全てに手をかけて苦労したい』というのは自己満足の幻想で「もう、大変」と言う自分に酔っているだけってこともある。
一方で無駄をはぶくと、利用者さんにその手をかける時間が着々と生まれている。
それでも腹を立てる人がいて、『正社員に誘わてんでしょ?』と睨みつけながら言って来る人も居る。
(ええ、しかもいきなり管理職に)
『だったら、こういうことは正社員になってからやってよ。派遣は他の雑用やってて。』
いやいやいや。派遣のうちにやってみて、こういった案が受け入れて貰える場所か?そんな精神の場所か?というのを調べているというのもあるんですよ。
頭コチコチで変化に抵抗するような場所なら、正社員の手続きしません。
『ってことは、なってくれるの?』
それはまだわかりません。実はまだもう少し変えたいところがるから。(ほんとは少しじゃないけど。)
なんだかんだ言って、場所は良くなる。楽になる。利用者さんの方へ目を向けられる。
そのあと、自分がどうするのか?というのは、まだ先の話。
辞めて他へ行くにしても気持ちがスッキリするし、残って続きをやって行くもよし。
そんな気持ちにさせてくれたのは、一人のサービス課長のおかげだった。自分らしく、かつ人様の役に立てるよう看護をさせてくれてありがとう。という感謝の思い。
図らずも体と頭は、一針一針、刺繍の対策を完成させるがごとく動き続ける。
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