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観客参加型の即興芝居で満席を目指す

「2020年のGW公演、全日程満席を目指したいね」

そう話していたのは、昨年始め頃の会議だったかと思う。
もし叶えられたら、どんな気持ちになるのか。満席を喜び合う仲間たち、舞台上からみた空席のない客席。想像しただけで身体が温かくなってきてドキドキしていた。

全日程満席。それは演劇を作る者の多くが思い浮かべたことのある夢かもしれない。
シンプルに人気者になるためとか、利益を上げるためとか、様々な理由でみんな同じ夢を見るが、私が強く意義を感じたのは「インプロ(即興芝居)を広めるため」だった。

◆インプロ(即興芝居)とは

私の所属する「インプロカンパニーPlatform」が上演するのは、インプロと呼ばれる即興の芝居だ。
舞台に立つ俳優たちがその場で生まれたやり取りを通してストーリーを創造していく。
時にはお客さまからお題をいただく場面もあり、最近話題になってきたイマーシブルシアター(観客参加型演劇)にも近いのかもしれない。
まだ日本に入って30年ほどの新しいエンターテインメントである。

海外には専門の劇場があったり、演劇学校で学ぶこともあるが、日本での認知度は低い。
よって、お客さんや仲間の人口もまだまだ少なく、とても狭い業界だ。

「台本がないなら、稽古もいらないし楽だからやっているんでしょう?」
「即興じゃ台本を越えられないよ」
そう言われてしまうことも少なくない。

◆なぜ認知度も低く、理解されないこともあるこのジャンルをやりたいのか。
なぜ広めたいと思うのか。

シンプルにインプロを面白いと思っていることはもちろん、その面白さはこれからの時代のニーズにも即していると思うから広がって欲しい。

面白さのひとつとして紹介したいのは、選択・決断の連続が目の前で繰り広げられるということ。
即興芝居において俳優は、台本も段取りもない中、身一つで舞台に上がり、自分で言葉を発し、行動し、物語を紡いでいく。どうするのか、毎瞬その場で決断するのだ。俳優も先が見えてやっているわけではないし、
その臨場感は客席まで伝わってくる。
また、多種多様な選択肢がある現代社会において、「自分で決める」勇気は重要度を増している。
即興というリスキーな場で決断の渦の中にいる俳優を目の当たりにすること、それは私自身観客として観ていて、人生の課題や希望へ背中を押されるような体験だった。

◆Platformが生み出した「コンセプトインプロ」とは

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Platformの本公演は、正確に言うと2割台本、8割即興であり、自分たちの生み出したこのジャンルを「コンセプトインプロ」と呼んでいる。
基本的にキャラクターや世界観は固定されるが、毎回その場で生まれたその回限りの物語を作る。
固定される要素があることにより、俳優を即興の創造へ集中させることもできるが、即興芝居を見た事のない人によく言われる「どう観たらいいかわからない」「楽しみ方がわからない」不安を和らげる効果もあると思う。
だからこそ、はじめて触れる即興芝居として、即興芝居への見方を変えるきっかけとして、私はPlatformの作品を届けたい。
そして、人生の楽しみの一つとして加えてもらえたら、それ以上の幸せはないと思う。

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Platform次回本公演は、ファンの中でも人気の高い「その探偵の名、」シリーズ最新作。
はじめてや学生の方、初日の観劇に思い切った割引を設けた。
すべては、より多くの人に出会うため。
より多くの人を楽しませるため。

このnoteでは「全日程満席」を達成するまでの制作過程を綴っていきます。
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そしてなにより、劇場でPlatformの公演を体感してみてください!                           
  インプロカンパニーPlatform第17回公演
「その探偵の名、
-2人の名探偵と3つの謎-」        
                      日程
2020年4月30日(木)〜5月4日(月)
会場
阿佐ヶ谷シアターシャイン

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