聞く音、見る音 ー 芸は身を扶く

自分は昔、劇団四季の『ソング&ダンス』といふのを見た。
“2“だったか、荒川務さんはじめ歌い踊るアレ。ちなみに荒川務さんは、これで有名。
https://youtu.be/5BF5IGsh1tI

荒川さんもシノラーも、後年ミュージカルの舞台で再び、一世を風靡した。あんたたちゃ知らんやろうばって。
で、『ソング&ダンス 2?』に接した時、俺には音が見えた。
音は聴くもの聞きかじるもの。そんな風体であったが、世界初、私は音を「見た」。ダンスや芝居じゃないですよ、音を。
なのでジャズに開眼したのも、劇団四季のおかげかもしれない。

落語なら、「見る」はまず枝雀だろう。この爆発力。
◆質屋蔵
https://youtu.be/2BM7c-fCf0w

上手いといえば志ん朝。談志は好かん。
◆そば清(そば好きの清兵衛さんのお話。詐欺だろうがこんなもん!笑)
https://youtu.be/ECUDxO-gp3c

国宝なら、もちろん米朝師匠。米朝師匠すなわち国宝、国の宝。
上手いだけじゃない。この教養、上品さ。
◆本能寺
https://youtu.be/bxuZvSHOBDM

大阪ことばを「儲かりまっか、ぼちぼちでんな」言う阿呆のおる。誰もそんな言葉使いません。
彼は ー 大阪ことばは ー 本来、実に上品なので。仁鶴さんの言葉なんかジェントルマンでの。
だから松井一郎や吉村洋文、維新の下品が俺はたまらなく嫌なのだ。大阪を棄損するばかりかイソジンがコロナに効くなどとデマを流して。どうせ金目でしょ? あんたたち。

いっぽう俺が好きなのは現圓楽・前楽太郎。
◆西行
https://youtu.be/pS4w-YN-4AE

これは北面の武士こと西行法師、流浪の前日譚。
圓楽師匠の噺は途中までだが、全体のあらすじは、こちら。
http://sakamitisanpo.g.dgdg.jp/saigyou.html

「蝶の三羽に長はない、そりゃ半だろ」
「カラスの濡羽色」
等、教養とウィット溢るる。
圓楽さんは青山学院出。圓歌師匠もすこぶるインテリだったが、教養が溢れ出でおる。
落語、すなわち日本人の教養といっても過言ではない。

俺は阪神負けるなどしてくたびれた時、寝っ転がって落語をよく聴く。志ん朝や圓歌は、どちらかと言えば「聞く」である。
いっぽう枝雀は見た方が良い。国宝は格別。
そして圓楽さんは見てよし、聞いてよし。

笑点=落語と思ってはならない。噺に接するべし。
噺家が概ね芝居も上手いのには訳がある。気を入れて、登場人物を1人で演じ分けるから。
楽太郎が言うておるが、そしてそれは想像力を喚起す。情景を人物像を、まざまざと客に想起させる。だから「芸」なのである。

昨今、アニメじゃ何じゃ、絵ェそのものを映す。それはそれでアリかも知らんが我らがジャパニーズ、イマジネーションがどんどん駄目になってゆく。
そう痛感す。

これは芸だけの問題じゃない。政治にせよ、あり得ないサイコパス・クズをわざわざ選ぶ。
一見派手なパフォーマンスだけ見て、想像力がないからだ。

想像力とは心眼でもある。ただ面白い、あはは〜🤣 じゃなく、芸は本来、身を扶く。
それは芸人のみならず、見、あるいは聞く我々こそそうなのだ。

なので落語 ー 音楽や演劇 ー を、聞きましょう。あるいは見ましょう。


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