見出し画像

お台場に不思議な「工場」が誕生?! ー明和電機ナンセンスファクトリー @ARTBAY TOKYO

お台場のヴィーナスフォートの目の前に、今年の夏にオープンしたオシャレなスペースARTBAY TOKYO。真っ白いオシャレな建物に先日掲げられたのは「明和電機」の青い看板。2020年9月19日(土)〜2020年9月27日(日)の9日間、こちらが「明和電機ナンセンスファクトリー」に変貌するのだとか。いったいどんなイベントなのでしょう?

画像24

「ナンセンスファクトリー」って?

”明和電機ナンセンスファクトリーは、あなたの脳を「ナンセンス(超常識)」に加工する工場です。”

明和電機は、アーティスト・土佐信道さんによる、中小電機メーカーに扮したアートユニット。その明和電機の創造活動の中核となる「明和電機工場」を再現するのが今回の「明和電機ナンセンスファクトリー」だそうです。

画像24

明和電機・土佐信道さん

「発想する、作る、見せる、売る」という、作品をつくるためのプロセスを
 ・発想する:発想スケッチのリアルタイム公開
 ・作る:作品の公開制作
 ・見せる:触って体験できる展示
 ・売る:量産型の製品を物販で販売
といったかたちで、見せてくれるそう。

”これらをリアルタイムで見せることで、来場者の頭のなかに「これはいったいなんなんだ?」という「不可解」を感じさせ、発想スケッチやナンセンスマシーンの制作工程を見て、ナンセンスマシーンに触れることで「そういうことか!」と理解していただき、来場者の脳を「ナンセンス(超常識)」に加工します。”

つまり「作品考えて作る所の見学」と「出来た作品の体験」ができる様子。とはいえ、まだピンとこないので早速行ってみましょう!

アート作品ってこんな風にできるのか!の、工場見学。

ということで、初日の9/19(土)に、「工場見学」をさせていただきました。
(定員20名、30分ごとの入れ替え制になっていました。)

11:00-12:00 公開発想スケッチ

画像24

会場に入ると、中にはガラスで仕切られたブースが。この中で、明和電機社長こと土佐さんがスケッチをしています。「スケッチ」といっても、何かを見ながら描くのではなく、ひたすら紙に向かって、ペンで様々なものを描いて行っています。こうして、作品の構想を練っているんですね。

ひとつのものを詳細に書き込むのではなく、何枚もの紙を行き来したり1枚の紙の中のさまざまなパーツを行き来して書き足したり。設計図のようなものもあれば、コンセプトのアイディアスケッチのようなものもあり。

画像3

普段はコーヒーショップでこのようにアイディアを練っているという社長。美術館で作品をみたり、公開制作を見られる機会はあっても、その前の「アイディアを練る段階」というのはなかなかリアルタイムに見られることはなく、興味深いですね。

12:00-15:00 公開制作

画像24

続けて、作品の「制作」の時間。明和電機の製品(作品)は1点ものですが、今回はそのうちの2作品「サバオ」「弓魚4号」をマルチプルとして量産し、販売を行っています。(これらの作品は、storesから購入が可能です。)

画像5

(左) 弓魚4号 イトツギ GMNAKI-Y4 (右)サバオ GMNAKI-SO

この時間はそれらの作品の公開制作。「量産」とはいっても、手作業で樹脂を切り出したり、金属を削ったり…と、ひとつずつ丁寧につくられています。

画像24

画像8

会場には明和電機カラーの工作機械たちも。普段、完成した作品の状態でしか見ることがないので、ひとつひとつの細かい作業で作りあげられていく様子に興味津々です。

画像24

15:00-15:30 おやつタイム

お昼もナシで続けて作業されていては疲れますよね。ということで30分の休憩。コーヒーとお菓子で一息。

画像24

…といっても、休憩時間もすべて公開です。(将棋の生中継みたいですね…)

15:30-18:30 公開制作・作品調整

画像11

休憩時間の後は再度公開制作に。

明和電機の作品は、動くもの・音の出るものが多く、会場内の展示物で早速調子の悪くなったものもあるため、それらの修理も行っていきます。…なかなかハードですね。

画像11

画像12

18:30-19:00 製品デモンストレーション

画像13

この日の最後は、製品のデモンストレーション。ブースの後方にある楽器の作品の自動演奏や、オタマトーンの生演奏、そして、自動演奏に合わせて歌と踊りのライヴも披露されました。

画像24

本当に盛り沢山すぎる一日…そして、なんとこの様子は会期中ずっとYoutubeで生配信もされています。移動の制約もあるなか、これは嬉しい企画ですね。

明和電機の作品が巨大化!触って体験できる展示も。

画像16

《魚立琴 NAKI-TX》 / 明和電機

明和電機の製品(作品)には、オタマトーンのように購入して自分で遊べるような楽器が多数あります。今回は、それを巨大化させ、触って体験できるような展示も多数あります。(感染症対策のため、入場時に指サックをいただけます。)

例えば、ユニークな動きで音を出す電動キャラクター楽器「ノックマンファミリージャンボ MR-04〜MR-09」。展示台のボタンを押すと、ベルやパーカッション、弦楽器のように、それぞれに役割を持った楽団が演奏をしてくれます。

画像15

《ノックマンファミリージャンボ MR-04〜MR-09》 / 明和電機

また、人口声帯に空気を送り込むことで、犬のようにワンワンと鳴く装置「バウガンジャンボ VM-09」は、「空気を送るボタン」と「口を動かすボタン」の2つのボタンで音を制御でき、その音が出る構造もよく見えるようになっています。なんだか科学館みたいに楽しい展示ですね。

画像17

《バウガンジャンボ VM-09》 / 明和電機

そんなユニークな楽器の展示の一方、触ることはできませんが魚型電動ハープの「魚立琴 NAKI-TX」や13週目の胎児の顔を象った造形の壁「サバオウォール」などの作品も。可愛らしいものから不可解なものまで、明和電機のナンセンスな世界の作品を楽しむことができます。

画像18

《サバオウォール》 / 明和電機

飲食 & 物販も充実。

会場内には代官山のカフェ「私立珈琲小学校」プロデュースのARTBAY CAFEもあり、今回のイベントに合わせて、作品を象ったライチ味のシャーベットが浮かべられた「サバオソーダ」や、”酸味が強くなくて、すっきりしているが、頭の回転がよくなる感じのイメージのコーヒー”という土佐さんからのリクエストの「明和ブレンド」コーヒーなどのメニューも。

画像24

ちなみに、見た目は少し不気味ですが、美味しいです。

看板のかわいい物販コーナーもあります。展示されていた巨大な楽器の小型版は、こちらのショップでお手頃な価格で購入も可能。なお、一定額以上購入すると、サインもいただけるそうです。

画像24

画像21


こうして、実際に見てみても、盛り沢山で不思議なイベント「明和電機ナンセンスファクトリー」。会期は9日間ですが、美術館ではなかなかできないような「発想する、作る、見せる、売る」の流れを体験し、”脳を「ナンセンス(超常識)」に加工”されに行ってみてはいかがでしょうか?

2020年9月27日(日)まで、入場無料です。

グレー

【イベント情報】 ARTBAY TOKYO presents 明和電機ナンセンスファクトリー

画像24

会期:2020年9月19日(土)〜9月27日(日)
会場:ARTBAY TOKYO
時間:11時00分~19時00分
入場料:無料




この記事が参加している募集

イベントレポ

最後まで読んでいただきありがとうございます。良かったらサポートいただけたら嬉しいです。サポートいただいたお金は 記事を書くための書籍代や工作の材料費に使わせていただきます。