【屋外でアート鑑賞】 天王洲アイルでめぐる カラフルなパブリックアートたち。
お散歩が心地よい季節になりました。都内は多くの美術館が臨時休館となっていますが、散歩ついでに屋外で見られる作品鑑賞なんていかがでしょうか?この記事では、天王洲アイル周辺で見られる11のパブリックアート(+周辺アート施設)をご紹介します。
■ 天王洲アイル駅(東京モノレール)付近
1) ≪Sleeping City≫ / 松下徹
場所:東京モノレール 天王洲アイル駅 中央改札前
東京モノレールの駅を降りてすぐ、駅構内の壁面に描かれた作品。アーティストコレクティブ「SIDE CORE」の松下徹さんによる作品です。
柔らかい線で描かれた、身近な道具やビルがみな眠る様子がユーモラスな作品ですね。
近くにはこの作品をあしらったマンホールもあります。
2) ≪巡り循る≫ / 吉野もも
場所:東品川清掃作業所(東京モノレール 天王洲アイル駅 南口出口付近)
東京モノレール 天王洲アイル駅 南口出口を出てすぐに見えるのは、美術作家・吉野ももさんによる作品です。
建物の中へと吸い込まれてしまいそうな、まるでトリックアートのような楽しい作品です。
3) ≪Organic Blue≫ / Rafael Sliks(ラファエルスリクス)
場所:東品川2丁目 桟橋待合所(東京モノレール 天王洲アイル駅 南口出口付近)
吉野ももさんの作品からそのまま橋の見える方に進むと表れるのは、ブラジルのアーティスト ラファエル・スリクスによる作品。
水辺の青と空の青が広く目にうつるこの空間に溶け込み作品です。
■ボンドストリート付近
天王洲アイル駅から西側に少し歩いた運河沿いにある、「ボンドストリート」。もともとは倉庫街で、保税地域(bonded area)をその名前の由来とするこちらの通り。T.Y.HARBORなどのおしゃれなお店も並ぶ中、多くのアート作品も観ることができます。
4) ≪Work 2012≫ / 三島 喜美代
場所:ホテル東横INN 品川港南口天王洲アイル 正面入り口
天王洲アイル駅からボンドストリート方面に向かう途中にある東横イン。この建物の前に表れる巨大なゴミ箱!?こちらは美術家・三島喜美代さんによる作品。よく観ると、ゴミ箱の中の段ボール類はすべて陶器でできています。
パッケージデザインを焼き付けた陶器の段ボールは、大量消費される紙とメディアのイメージを具体化し、それらが巨大なゴミ箱の中に存在することによって、この現代社会に溢れる情報やコマーシャリズムをユーモラスに表現しているそうです。
なお三島 喜美代さんの作品は、天王洲アイルからも近い城南島にある「ART FACTORY 城南島」で広大なスペースで鑑賞することができます。こちらも、東横インがメセナの一環として運営する施設なのだそうです。(※現在は、日時指定の予約制で見学可能。)
▼noteに書いた「ART FACTORY 城南島」の紹介です
5) ≪東京/ 天王洲≫ / DIEGO
場所:ボンドストリート
大通りからボンドストリートに入る入り口、通りに面した長い仮囲いに描かれたカラフルなグラフィティ。DIEGOさんによる作品です。
文字、建物、人々、それからたまにキャラクターのようなものも見える楽しい作品です。
ボンドストリートのなかには、この作品のデザインマンホールも設置されています。
6) ≪“The Shamisen” Shinagawa 2019≫ / ARYZ(アリス)
ホテル東横INN 品川港南口天王洲アイル 東横INN立体駐車場
先ほど紹介した三島 喜美代さんの作品の裏、ホテル東横INNの立体駐車場に描かれた巨大な絵画。カリフォルニア生まれ、バルセロナ育ちのアーティスト・ARYZ(アリス)によるこちらの作品は、なんと鈴木春信の浮世絵「見立芥川」を題材にして描かれたのだそう。
なお非常に大きいので、全体像を観るときには新東海橋を渡り「テレビ東京天王洲スタジオ」の付近から観ると見やすいです。
2019年には作品の製作中を拝見することが出来ましたが、クレーンに乗り、このスケールの作品をローラーで描くというダイナミックな方法で描かれていました。
2019年に撮影
7) ≪猫も杓子も≫ / ダミアン・プーラン
場所:アマナ前
カメラを持って散策するのも気持ちの良い中、こちらにカメラを向けてくるユーモラスなネコ。パリを拠点に活動するグラフィックアーティスト ダミアン・プーランによる作品です。過去には銀座のGinza Sony Park前に展示されていたので、そちらで目にしたことのある方もいらっしゃるのでは?
2018年の「浅間国際フォトフェスティバル」のマスコットとしてデザインしたというこの作品。人々が動物にカメラを向ける様子をひっくり返したというのはちょっとしたアイロニーも感じられますね。
8) ≪Looking for words≫ / Lucas Dupuy(ルーカス・デュピュイ)
場所:寺田倉庫T33
こちらもまた、ビルの数フロアにまたがって描かれた巨大な壁画。イギリスのアーティスト・ルーカス・デュピュイによる作品です。幼い頃、「失読症(ディスレクシア)」を煩っていたという作者。
こちらも巨大な作品なので、天王洲ふれあい橋を渡ってから観ると全体が見やすいかもしれません。
9) ≪Oracle Born Script Connection≫ / Stachu Szumski(スタフ・シュムスキ)
場所:パナソニック東品川ビル2号館
ボンドストリートから1本運河の側に入ると、そこは心地の良い水辺広場(ボードウォーク)。ここから天王洲運河越しに見えるのが、ポーランド生まれのアーティスト スタフ・シュムスキの手がけた壁画。
「甲骨文字」を題材に描かれたそうです。
なお、この付近には、寺田倉庫に保管されたコレクター所有のアート作品を展示するミュージアム「WHAT」や、アート作品の鑑賞・購入ができるカフェ「WHAT CAFE」、アマナの手がけるアートフォト専門のギャラリー「IMA gallery」などのアートスポットもあります。
■天王洲公園付近
10) ≪どこまでも繋がっていく≫ / 淺井裕介
場所:三信倉庫
くじらの遊具が可愛らしい天王洲公園の横で、青空に生える巨大な壁画。アーティスト 淺井裕介さんによる作品です。
遠くから観ると巨大な生き物のように見えますが、近づくと、そこには小さな人間や、たくさんの動物・植物たちが生き生きと描かれており、隅から隅まで、そこに描かれた者たちを見つける楽しさでいっぱいの作品です。
こちらの作品は、アイル橋から観ると全体をよく観ることができます。
2019年の「Waste Land」展(ANOMALY)では、この原画も公開されていました。こちらは、足場を組んで毎日6人のアシスタントと20日間をかけて描き上げたそうです。
「Waste Land」展 (ANOMALY, 2019年)にて
こちらの作品からは少し離れていますが、天王洲アイル駅の近くにこちらの作品のデザインマンホールもあります。
11) ≪See a Song≫/Keeenue(キーニュ)
場所:天王洲公園車庫
最後に、天王洲公園の野球場の横にある車庫に描かれた作品。Nike、Sony Music、G-SHOCKなどとも数多くのコラボレーションを行うアーティスト Keeenue(キーニュ)さんによる作品です。
この付近には、数多くのギャラリーがあつまるTERRADA ART COMPLEX, TERRADA ART COMPLEXⅡ があり、あわせて15件ほどのギャラリーが入居しているため、ここだけでも全て観たら1日が過ぎてしまいそうです。
今回ご紹介した作品の多くは、「TENNOZ ART FESTIVAL」の中で制作されたもの。美術館の多くが臨時休館するなか、屋外でいつでも観ることができるパブリックアートは有り難いですね。
こんな時期だからこそ、身近なパブリックアートにみるのはいかがでしょうか?