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旅ノ芽探査記【青森編】

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<お知らせ>ハマナス花摘み体験会2022:6/5、6/7 青森・下北半島で開催

森と海岸と人々をつなぐプロジェクト 青森県は下北半島・むつ市で開催の「ハマナス花摘み体験会」のお知らせです。 6月5日(日)、6月7日(火)参加者募集中です。日程合わない!けど行ってみたい、見てみたい!そんな方は、5月31日〜6月3日は苗畑でソロ活動していますので、お問い合わせください。 遠くのかたで、たまたま青森行く!なんてかたはちょっと足を伸ばして参加してみませんか? 今年で7年目。2020年、2021年はコロナ禍でも配信素人でも、できることはある!と様々なことにチ

ヒバ材・杉材の木工品の現場へ。津軽南端の町には木製クラフト工房もあるのだ。

青森県南津軽郡大鰐町(おおわにまち)。そこは温泉とスキーの町。地域植物としては、在来種の小八豆(こはちまめ)で作られる伝統野菜「大鰐温泉もやし」がある。(これについてはまた別のところで) 大鰐町の駅からもう少し山側に入ったところにあるのは、木工工房「わにもっこ」さんの作業場とショールーム。 秋田杉(大鰐天然杉)と青森ヒバの混合林をご案内いただいたあと、工房に潜入することに。 ちょうどこの日は、この森の杉ではないけれど、杉材と青森ヒバを使った商品(団体向け納品用)の作業が

秋田杉meets青森ヒバ。日本三大美林のうちの2種が混じり合う森へ。

青森県内で「青森ヒバ」に出会える場所は、主に下北半島と津軽半島、他には岩木山より西側や青森市内の東岳、そこから少し東側にも少し分布されている。 ▼下北半島のヒバ林 そして、かねてより気になっていた「秋田杉」。秋田県は近いのだからそのうち行こうと思っていたら、plantripでおなじみの木工工房「わにもっこ」さんの近くに「混合林」があると知り、今年はぜひ!と言っていたその機会がようやく訪れた。 わにもっこさんの場所はここ。木のマークまたはDをクリック。 紅葉のピークも逃

「1/fゆらぎ」以上を体感した日。ボタニカルキャンドル作りと炎の揺らぎ。

2021年10月2日(土)青森大学付属総合研究所SDGs研究センターで行われた【火の文明学 シリーズ勉強会】の4回目、キャンドル制作ワークショップ+夜の部・焚き火の前でディスカッションに参加してきた。 主催:青森大学社会学部教授 SDGs研究センター長 藤 公晴 氏 講師:キャンドルアーティスト 安田真子氏(YOAKEnoAKARI) 植物をつかった装飾を得意とする青森県在住のキャンドルアーティスト。 「これ参加しませんか」と友人から送られてきたメッセージのリンク先を開く

rhyme "夏のある日、午後のスクリーンショット"

この地は、日常から遮られているように唐突に浜辺が現れる。 陸側に並ぶ針葉樹が背後で揺れる。律動的に何かが落ちている。 それに振り向きながら波打ち際を歩く。砂を踏む、水面が動く、少し強い風。その一連が反復する。 砂地のところどころの緑色に気づき、それが接合点になって呼び覚まされる。なめらかになった境界線をこえて戻り、その先の時間に余韻を残す。 あなたが行きたいどこかの、海の近くの町の香り。 五感を鍛えて旅時間。

flow "いつかの、近くて遠い場所のシークエンス"

遠くに連なり、霞んで見えるカタチが未だ幻に見える。 それを確かめにいくには最適な、空が青すぎる日。 34℃から40分後。降り立つと冷たい風と雨。それに押されて進む。 ひとり。怖くなり後ずさりすると初めてみる枝葉の複数の腕。 その下を濡らさずにどこかへ伝っている。 50分後。乾いた白い地で生暖かい風に当たっている。確かに見てきたはずの連なりは曖昧なまま、水の音だけが聴こえている。 あなたがいま、思いきり深呼吸しに行きたい町に漂っている香り。 日常に、五感を鍛えて旅時間を

恐山山地と津軽海峡のあいだ。この地で生まれる「杉の木箱」よフォーエバー

山と海の名称だけ聞くとなかなかハードなイメージが。でもそこには優しい風が吹き、ぬくぬくの下風呂温泉郷もある「風間浦村」(青森県下北郡風間浦村)。村名もナウシカっぽいじゃないですか(村名の話は最後に)。 さて、あなたの部屋には木製品はありますか?なんでもいいんです。箸や器、大きいものだとテーブルやベッドなどの家具。 それらは「どこから来たのか何の木かどこへ行くのか」。ゴーギャンじゃないけど、気になりませんか?私はなります。 ▲下北半島、陸奥湾とある港。 ドーンとでっかい

花摘み体験&コーディアルづくりの模様 at下北半島とある場所

2021年6月6日(日)のジャパニーズローズ・ウィーク最終日に実施した「ハマナス花摘み体験とコーディアルづくり」の様子を1分52秒でご覧いただけます。 花摘み体験会は6年目。青森県は下北地域にて、今回は現地参加の皆様とオンライン参加の方も加わり、新商品となるコーディアルを作りまでやってしまうという初の試みでした。昨年から新たな挑戦が続いております。 4日からは朝に収穫シーン1分だけ(畑の電波が悪いこともあり)インスタとFacebookで同時LIVE配信!というチャレンジも

農場内ドライブで聞く雪人参と広がる夢<インタビュー③舮作興農組合・新岡代表>

「ふかうら雪人参」について3回目、今回は最終です。 収穫風景の撮影と「少しでも」代表にお話しが聞けたら、と当日はそんなイメージしながら現地に行った。 ▼前回までの話 少しどころか。「見にいく?」と車に同乗、車中インタビューという流れに。ただでさえインタビュー素人で恐縮するなか、代表自らガイド役に。 舮作(へなし)興農組合は、深浦町食産業振興公社のある場所から高台に上がって数分のところ。小林さん先導のおかげで迷いなく着き、代表の新岡重光さんをご紹介いただいた。 日本海を

青森の西海岸。ふかうら雪人参が潜む地、その未来は。<集出荷編とインタビュー②>

前回に引き続き「ふかうら雪人参」について。 今回は、収穫された人参が世に出るまでの様子を公開。再び加工製造の小林さんへのインタビュー、深浦町の課題と未来についてお聞きしました。 前回の記事はこちら ※機械音にご注意ください。リアルな現場そのままです。 どこから来てどこへ行くのか?このあと、いろいろな出荷先へ旅立ちます。もちろんすぐ近くのジュースやスープの加工場へも。 青森県の西海岸に面した高台の地、うしろには白神山地。 「いろいろな方に来てもらえる仕組みづくりが必要」

ふかふか雪ベッドのふかうら雪人参。行ったその日は・・・。<収穫編とインタビュー①>

はい晴天でした。しかも積雪もなし。 吹雪の中の人参堀り現場に行くのだと予定していたのに、諸事情により3月に。予想を裏切るまさかの晴れ間が続く穏やかな日々。当日の朝も良い天気。2時間半の運転には好都合だがやはり「雪人参」に雪がないのは不都合な真実だった。 でも。 結論から言うと、大きな趣旨に対しては都合がよかった。「旅ノ芽」が生えました。もちろん「雪人参」をきちんと伝えるには失格であり先にお詫び申し上げます。 そこで読んで頂いている方へはぜひ妄想力を発揮して欲しいのです。

津軽の関所はマルメロ の国だった。

ずっと気になっていた「マルメロ 」という果物。 関東に住む、食に詳しい友人も「名前は聞いたことある」程度。 私も北海道、東京と住んでいた時は一度も目にしたことはない。 青森に住みはじめてから何度か「ウチにあるから」と頂いたり、「これは置いておくもの」と香りを楽しめる展示物になったりで目にするように。 じーちゃんばーちゃん、ちびっこも、みんなこの香りが大好きなようだ。 2014年の写真。ついでに言うと、青森市内とある山間地域のその辺にあるものでこれだけ集まる秋の収穫。(小

世界でも青森県にしかないヒバ実験林。

「ヒバ施業実験林」聞いたことありますか? 大畑実験林(青森県むつ市大畑町奥薬研)と増川実験林(青森県東津軽郡外ヶ浜町)と青森県に二ヶ所、地球上でここにしかない(自分調べ)。 何を「実験」するのか。簡単にいうと自然の変遷に従いながら手を加え優良な林にするための実験という壮大なもの。 なぜ「壮大」か。 大畑は220ha(東京ドーム約47個分)、増川は196ha。 ふーん「森林」なんだから広さはそんもんじゃ?と思いますね。 実験開始は昭和7年(1932年)、今は2021年。(

「自伐林業体験会(かかり木処理編)」に潜入。その場所は世界遺産のある村。

昨年2020年、コロナウィルスの影響で出来なくなったことは多いけれど、出来たことも割とある。 ウィルスも寄り付かないようなフィトンチッド大放出な環境ばかりだったこともあるけれど、実現できた理由の多くは「行っていいですか」「はいどうぞ」と快く、私の拙い説明にも理解を示す懐の広い人たちばかりだからだ。 11月に潜入した先は山の懐。 「西目屋村(にしめやむら)」は知らなくても「白神山地」は知っているはず。その手前というか入り口というか。 「山の懐にある村」は全国にたくさんある