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焦燥感たっぷりのミュージカル映画『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』 2021年11月17日(水)

Netflixでまもなく始まるらしいが、劇場で観たかったので、シネリーブル梅田に『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』を観に行く。
アンドリュー・ガーフィールド主演。『インザハイツ』『ハミルトン』の作詞作曲を手がけたリン=マニュエル・ミランダが監督を務めたということで、これは観に行かねばとなった。(インザハイツの氷売りのおじさんの人ですね)

名作ミュージカル「RENT レント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルを映画化した。1990年のニューヨーク。食堂のウェイターとして働きながらミュージカル作曲家としての成功を夢見るジョナサンは、オリジナルのロックミュージカルの楽曲を書いては直しを繰り返していた。もうすぐ30歳を迎え、これまでともに夢を見てきた仲間たちも現実に目を向け始め、焦りを覚えるジョナサン。自分の夢に価値はあるのか、時間を無駄にしているだけではないかと自らに問いかけながらも、時だけが過ぎていき……。

正直なところRENTも観ていないので、このジョナサン・ラーソンのこともまったく知らなかった。なので最初に早逝することを匂わすナレーションが入るのだけど、後に大成功するのだと思っていたのだけど、この方RENTの公演初日の朝に大動脈解離で亡くなっているのだ。
生前は一枚も絵が売れずに死後有名になる画家のようである。

この『チック、チック…ブーン!』はRENTの前にミュージカルとして長年準備してきた作品が製作されなかったことを描き上演されていたもので、そこに伝記映画としてアレンジが加えられているようだ。
そのためかなり内省的な内容になっており、何者でもなかった若者の焦りを巧みな編集と音楽で表現されている。
とうにその刹那的な若さを失ってから長い月日が経つ自分でも、この映画で描かれている「何者でもない自分に懐疑的になりつつ邁進すること」にとても共感できた。

RENTを見てからもう一度Netflixで見てみてみようかと思う。

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