見出し画像

意外と知らない積立投資の本当のところ5つ

こんにちは、東北投信を運営しているみらい(@instockexnet )です。


今回の記事では、「意外と知らない積立投資の本当のところ」と題して、筆者が東北投信で検証したことなどをざっくり紹介していきたいと思います。

これから積立投資を始める方、最近始めたばかりの方のお役に立つ内容になっていれば幸いです。


この記事は200円としますが、コアな部分はすべて無料で閲覧できますので、ぜひ最後までご覧ください。

しょうもない話だけ有料エリアに隠しています。


なお、記事中では原則としてつみたてNISAやiDeCoを前提とした、定時定額投資(ドルコスト平均法)を想定します。


1. 積立投資を始める時の相場はあまり重要ではない


2020年5月現在、気になるのが「コロナ」のことですよね。

株式市場では3月に大幅な下落があった影響で、「コロナが流行する現在、投資は見送るべきか?投資のチャンスか?」みたいな疑問が溢れています。


どうでしょう?コロナの不安が抜けてから積み立てを始めたほうが儲かると思いますか?それとも、今こそ安く仕込めると感じますか?


結論から述べると、実は積立投資において、現在の相場はさほど重要ではありません


例えば、ITバブルが崩壊し、年末に向けて株価が下がっていった2002年。

この年から先進国株式に積立投資を始めると、2020年2月時点でもっとも利益が多く出たのは、年初の株価が下がる前に積み立てを開始した人でした。

画像1

これは簡単な話で、2020年の相場は2002年よりも遥かに高いので、2002年のどのタイミングで買っていても、今は利益が出ているためです。

早く始めたほうがたくさんの口数(投資信託の権利)を手にしているため、その分利益も多くなりました。


超長期で株高を期待できる商品なら、始める時の相場は関係ないんです。


だから、積立投資では「始め時の相場」で悩まないでほしいです。


2. 積立投資は評価額の変動を抑えるわけではない


積立投資は、保有する投資信託の評価額の変動を抑えるための手法ではないことを知っておいてください。


以下のグラフは、ローリスクなバランスファンド(DC標準型)に一括投資したものと、ハイリスクな先進国株式(海外株式)に積立投資した時の資産の推移を示したものです。

画像5

画像6

評価額が値動きする金額で見ると、特に運用初期ほどローリスクなバランスファンドの損益が大きくなります。

しかし、値動きする「率」でみると、大きく動いているのは期間を通じて先進国株式です


積立投資は初期の積立金額が少ないため、資産の値動きも小さく見えます。

しかし、もともとハイリスクハイリターンな商品は運用初期からハイリスクな特徴を見せているのです。

このハイリスクな特徴は資産が積み上がった運用末期に向かって、少しずつ明らかになっていきます。


「価格変動に気持ちがついていけそうか」という意味でも、商品選びは超重要なのです。


3. 「毎日積立ならリスク分散で安心」ではない


ネット証券では投資信託の積立頻度を毎月・毎週・毎日から選択できるようになっています。

その中で「毎日積立は究極の時間分散」と紹介されることが多いです。


しかし、実際には積立頻度はさほど重要ではありません

購入頻度を変えても積み立てリターンに大きな差がないというのは、偶然ではなさそうだ。調べてみると、理論的な背景があった。専門的には「調和平均」という数式を使って平均購入単価を計算するのだが、考え方としては「ランダムに変動する価格の平均購入単価は、その購入間隔の影響はそれほど受けず、一定の値に収束する」ということのようだ。


積立投資の場合、ある程度継続していると、積立頻度よりも、積み立てた資産そのものの影響が大きくなります

加えて、相場は複雑に変動するため、積立頻度の分散は「均されて」しまうのです。


それどころか、毎日積立にはデメリットもあります


例えば、営業日の関係で取引できなかった場合に、その積み立てがスキップされるケースです。

特につみたてNISAで満額利用をもくろむ際に、このデメリットは大きいです。


積立頻度は毎月積立で十分です。

それでも毎日積立を選びたくなるなら、本当は過剰なリスクを取っていないか、商品選びを見直したほうが良いと思います。


4. 「損をしているのでリスク資産の割合を減らす」はやめたほうが良い


相場が順調な時は、積み立てを継続できる方は多いと思うんです。

ですが、相場が急落し、損失が出ている時も積み立てを継続するのは結構難しいですよね。


しかし、実際には損失が出ている時にも積み立ては継続したほうが良いです。

例えば、評価額が10%以上の損失を抱えた時、ハイリスク資産の割合を減らし、評価額が戻ったらハイリスク資産の割合も戻すとどうなるかを計算したものが以下です。

画像7

このグラフでは、機動的に配分を変更するよりも、最初から積み立て方針を堅持したほうが良い成績になったことを示しています。

「損が出たときだけ投資を抑える」と、その分だけ最終的な成績が低くなりやすいのです。


実際には損失を目の当たりにして、一度や二度方針を変えたくなることはあると思います。

それはそれで仕方ないので、どこかのタイミングで「自分はこれで最後まで行ける」と感じられる資産配分を決められたらいいですね。


5. 積立投資を終わり、換金する時の相場は超重要


始め時は重要ではない一方で積み立てを継続し、将来「換金したくなった」時の相場は超重要です。


例えば、老後に2000万円が必要だとします。仮に先進国株式に2002年から毎月4万円を積み立てると、2020年2月に2000万円を達成です。

ですが、達成したのもつかの間、3月には株価の下落が発生し、最大で700万円もの利益を減らします。

せっかく2000万円貯めたのに、これではがっかり感が半端ないですね。

画像2


株価の下落を回避することはできませんが、投資信託の上手な売り方を考えると、このような急落はカバーできるかもしれません。


例えば、最近はFIREムーブメントの影響で、「資産を4%の比率で売却する」考え方をご存じの方が増えています。

以下は2002年時点に2000万円の投資信託を保有しており、毎年資産の4%を取り崩した時の受取額のイメージです。

相場に応じて受取額は変わるものの、資産を大きく減らすことはありませんでした。

画像3

画像4


ちなみに、つみたてNISAの場合は、非課税運用を終えたものから売却するという案もあります。


あなたと一緒に積立投資を成功できますように


2020年3月の相場では、既存のプレイヤーが損失を負った一方で、多くの新規ユーザーが参入したと話題になりました。

筆者がツイッターをみていても、「2020年から積立投資を始めました」という方が多いです。


将来の相場がどうなるかはわかりませんが、長い目では世界はさらに良くなっていくと定性的に思っています


今はまさに困難の中ですが、あなたと最後まで積立投資を継続できたら嬉しいです。


この記事は、主に筆者が実在の投資信託を用いて、過去の相場の基準価額をから検証したことを中心にまとめました。

必ずしも将来も同じとは限らないでしょうが、積立投資の長期的なイメージづくりに役立てば幸いです。

最近、つみたてNISAの利用者さんのリストも作ったりしたので、ぜひご覧ください。


以下は誰にも役に立たない、超くだらないことを書いてます。もし、この記事が役に立ったと感じましたら、投げ銭的に買ってやってください。


続きをみるには

残り 343字

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今後もあなたの資産形成に役立つ話を書いていこうと思います もしよろしければ、少しだけサポートいただけると、励みになります 長期投資で一緒に明るい将来を掴み取りましょうね