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ぽっと出の中途社員に嫉妬した

突如あらわれた中途社員

6月下旬のある日、部長から「来週から中途の人(Nさん)はいってくるから」と言われた。

進行中のプロジェクトで人が足りないので、人が欲しいね、とは以前から話していたので、ついに来たか!やったぜ!という感じだった。

次の週、Nさんは入社し、すぐにプロジェクトの会議にも参加し始めた。会議でのNさんは相手の話をよく聞き、豊富な知識をもとにした意見を述べる、とても優秀そうに見えた。会議の仕切りも、部長からNさんに移行していった。

しかし、心強い人が来てくれた!と思う反面、えも言えぬモヤモヤが生まれ始めた。
待望の中途社員なのに、とても優秀っぽいのに、ぜんぜん嬉しくないのだ。

そのモヤモヤのせいで、Nさんの顔をろくに見れないし、積極的に話しかけようという気も起きない。
このままじゃ仕事に支障が出ると思い、モヤモヤの正体を探ってみた。
探り始めてすぐわかった。このモヤモヤは、嫉妬だ。今まで少人数でプロジェクトを「頑張って進めてきた自分」を、さっと追い越していく「ぽっと出の中途社員」に嫉妬してるのだ。

嫉妬の正体

じゃあ、この嫉妬を解消するにはどうすればいいだろう。
まず、モヤモヤを感じた場面を考えた。会議でばんばん意見し、仕切っているNさんを見たときだ。
Nさんが来る前、部長が仕切っているときはモヤモヤなんか一切感じていなかった。
部長は平気で、Nさんには嫉妬してしまう。
両者の違いは、「部長」と「ぽっと出の中途社員」、自分にとって既知か未知か、だ。

自分は部長の人となりや能力を知っているが、Nさんのことを何も知らない。
部長がなんの紹介もしなかった、というのがそもそもの原因だが、Nさんはどんな人か、前職で何をしてたか、何が得意か、など一切のことを知らなかった。

知らないものは、こわい。不安だ。

この不安が嫉妬の根底にあるのでは?と思ったので、その日のうちにNさんとお喋りに行った。
自分よりずいぶん年上であること(そうは見えない)、部長と同じくらい業界経験年数があることなど、色んなことを知れた。そりゃ優秀だ、自分なんか業界1年目のペーペーなんやし、比べて嫉妬するレベルの人じゃない、と悟った。

Nさんとのお喋り後、驚くほど心は晴れやかになった。

自分の限界を見極める

自分はエンジニア歴1年目の新米だし、知識は全然ないし、できることはとても少ない。
そんなことは重々承知してたのに、プロジェクトの人が少なくて、「頑張って」いろいろやらなきゃと意気込み、なにかをしてるつもりになって自分の限界を見失ってた。

Nさんと話すことで、自分の出来なさを自覚し、自分に出来ないことはNさん含めチームメンバーに任せようと思った。自分が「頑張って」やる必要はない。頑張ったところで、たかが知れてる。

せっかくプロジェクトで新しい言語や分野使うことになったし、いろいろ首突っ込みたい!という気持ちは強いけど、プロジェクトを完遂することが最優先なので、背伸びせず自分ができることを把握して、チームに貢献できたらなと思う。

それができてから、首を突っ込もう。

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