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『51歳の左遷』からすべては始まった

"51歳で、左遷をきっかけにサッカー界で第二の人生を送ったことは、人生はどこでどういうふうに、何をきっかけに大きく転じるのか本当に分からないという、一つの例なのかもしれません"2009年発刊の本書は、Jリーグ誕生にサラリーマン時代が糧になった事がわかりセカンドキャリア論的にも興味深い。

個人的には人生100年時代。自身のセカンドキャリアを考える上でタイトルにひかれて、また著者に関してはJリーグの設立者としての立場としての発言しか知らないことから本書を手にとりました。

さて本書では【サラリーマン人生の仕上げ】として定年までの本社勤務を希望していた著者が『51歳の左遷』による目標喪失を転機に、サッカーのプロ化への大改革へと残りの人生で挑戦する事にした日々が、指導者として、組織人としての立場から語られているのですが。Jリーグ創設当時の渡邊恒雄との理念を巡っての対立や、ジーコやオシムといった歴代日本代表監督とのエピソードが懐かしくも1サッカーファンとして裏話的に面白かった。

また働き方を巡る話題が盛んな最近ですが、著者自身がオリンピック元代表選手(日本代表監督)兼サラリーマンとしてのパラレルキャリアで、アスリート、組織人として【そのどちらでも結果を残した上で】語るリーダー論、キャリア論は終身雇用制が崩壊する一方で、少子高齢化や年金問題と誰もが人生に不安を感じている時代に【居酒屋でどっしりと先輩話を聞いているような】安定感があって、流石だなと感じました。

組織としてのJリーグを振り返りたい誰かに、またサラリーマンとしての残りがわかる40代、50代からセカンドキャリアを充実させたいと考えている忙しい誰かにオススメ。

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