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1日1冊オススメ本レビュー

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ブックコーディネーターが毎日1冊、サクッと読めるオススメ本ブックレビューを公開していきます。
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2021年1月の記事一覧

ハイペリオンの没落

"片手をかかげ、娘は大声でいった。『シーユー・レイター、アリゲイター!』ソルも片手をそっ…

いえめぐり

"不動産屋の営業担当と一緒に車で移動する際のこちらとあちらの関係は(中略)どこか非日常感が…

珈琲店タラーレンの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

"目を細めて挽きたての豆の香りを嗅ぐ。うっとりしたその表情にドキドキしていると、彼女は僕…

京都の中華

"『京都の中華』は、ちょっと違う。中華というもののとらえ方と育ち方が、ほかの店とはちょっ…

人新世の『資本論』

"本書は(中略)『人新世』における資本と社会と自然の絡み合いを分析していく(中略)150年ほど眠…

イリヤの空、UFOの夏

"めちゃくちゃ気持ちいいぞ、と誰かが言っていた。だから、自分もやろうと決めた。山ごもりか…

杳子・妻隠

"あたしはいつも境い目にいて、薄い膜みたいなの。薄い膜みたいに顫えて、それで生きていることを感じてるの。"1970年発刊、芥川賞受賞作である本書は"内向の世代"の代表的作家による、唯一無比なスタイリッシュな文体で描かれた孤独で斬新な密室の男女の物語。 個人的にはドラマ『ヴィレヴァン!』の登場人物たちが本書を紹介しているのを見て手にとってみました。 さて、そんな本書には同時期に発表され、同じく1組の男女を描いて芥川賞候補作になっていたことから、神経を病む女子大生と青

太陽の庭

"ー神を信じることもならず、神を失ってしまった私たちに、どうか祝福を。栄子は永遠に響きつ…

死の蔵書

"本を読む人間は、大きく二つに分けることができる。ベストセラーを読む人種と、そうでない人…

デカメロン下

"私ども十人は各自その一日を主宰いたしました。それぞれ王の名誉を授けられました(中略)出発…

書きたい人のためのミステリ入門

"ミステリの基礎体力が付けば、同じ作品でも、何が凄くて、どこが画期的なのか、読解の解像度…

デカメロン中

"私のような年齢の者がご婦人の事ばかり話して怪しからんと言われる方には申し上げます。そう…

ドン・キホーテ後篇三

"友のサンチョよ、どうか赦しておくれ。この世に遍歴の騎士がかって存在し、今も存在するとい…

ドン・キホーテ後篇二

"お前ら、愚かで気の利かねえ陳情者め、そんなにあわてるんじゃねえよ。要件を持ち込むにゃ、それ相応の潮時ってものがあるんだ。"1615年に発刊された本書は、後篇の2作目にして、猫と戦うドン・キホーテを尻目にサンチョ・パンサが遂に"島の領主"となる急展開。 個人的には前編から10年後に発表された後篇もいよいよクライマックスへと?最終巻へと続く一冊として手にとりました。  さて、本書では引き続きのドタバタコンビ"愁い顔の騎士"あらため"ライオンの騎士"ドン・キホーテは人形