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「あなたと一緒に働けて幸せです」と言われたら、何て答えますか?

私の同僚は、いつも調子良いこと言って、言った時間に30分程遅れてきても謝らないし、何かしら理由つくって仕事を先延ばしにすることもあるし、喜怒哀楽が激しい。面白い程に振り回されるけど、そして、たまに呆れるけど、時に、とても無邪気に、満面の笑顔で持ち上げてくれる。

パソコンの画面に集中しすぎて、体が固まっている私に、「また新しいの!試してみて!」と、メコンデルタのフルーツからお菓子、パン、飲み物、いろいろ差し入れをくれる。食べる前に「美味しい?」といつも聞かれるから、私はすぐに試し、「あ、これは美味しい」「これは甘すぎる」「触感が好きじゃない」「ドリアンのお菓子はあり得ない」等と好き勝手に言っているが、あまり私の答えは気にせず、また次の新しい差し入れをくれる。

昨日、突然「マミは、このベトナムでの仕事が終わったら、何をするの?」と聞かれた。日本にいるときは、「ベトナム行ったら何するの?」と聞かれ、ベトナムに来たら「この後は何するの?」なんて、正直、私にもわからない。いや、「わからない」というより、今やりたいことがありすぎて、その先よりも今に集中したいのかもしれない。

「あなたは、将来何がしたいの?」と聞いてみた。「うーーん、大学院に行きたいかな。来年の9月頃から。」って。「そうなんだ!良いね。大学院に行きたいのは何の為?大学院の先の道も何か考えているの?」と、私も突っ込んで聞いてみた。「お店を持ちたいなぁ。ベトナムでね。日本のコスメが好きだから、コスメを売りたい。それかファッション関係。」って。聞いてみたら、結構しっかりとしたことを考えていて、なんだか、素敵だった。

確かに、彼女は、毎日ほぼ違った素敵な服を着こなしていて、かっこよい。絶対に日焼けしないように、どれだけ短時間でも、夜でも、バイクに乗る前の長袖、手袋、サングラス、マスクは欠かさない。私なんて、ほぼ毎日同じような服着て、洋服すら買うお金が無いのかと思われたのか(?)、今までに10着程の洋服を頂いている笑 なんだろう、洋服に関しては単純に、興味が無い。私にとっては、すぐにでも数日間の旅に出られるくらいの物の少なさで充分なのだが、明らかに彼女の洋服のセンスは抜群で、すごく応援したくなった。

「仕事を先延ばしにする」とかって言ったけど、とても合理的な彼女は、ある仕事が意味をなさないものだと判断すると途端に次の仕事へと移る傾向がある。今月は特に仕事が多く、彼女なりの優先順位の付け方があるのであろう。

イベントのブース出展準備をしている時に、ふと「ねぇ、マミ、私はマミと一緒に働けて幸せだよ」と言われた。朝、遅刻してきてたくせに、とても調子良い。私は、少し呆れていたけど、満面の笑顔でそう言われると、「ありがとう」以外の何の言葉も言えなくなるじゃないか。彼女は、いつも通り、私の返事にはあまり関心が無く、伝えたことに満足している。

そんなとき、「彼女は、私が失った(?)、いろんな愛の表現を知っているなぁ」と、ちょっぴり羨ましくなった。

そして、ちょっぴり羨ましくなっている時に、「あ!あと、昨日のマミの服は美しかった!また着てね」と追加で伝えてきた。

日本で、同僚に、しかも仕事中に、「あなたと一緒に働けて私は幸せです」って、伝えたことなんてあったっけ?いや、無い。言われたことも無い。世間の皆さんは、言っているものなのかな?いや、きっと無いよね。言われたら、何て答えますか?その前に、驚くのだろうか?とても、大事な言葉のはずだけど、私たちは、他の何かに生き急いでいるのだろうか?

私は、人と比べることなんて滅多にないし、尊敬することは多くても、「羨ましい」という感情がほとんど起こらない、けど、唯一、「愛の表現」に関しては、この国の人々がとても羨ましくなるときがある。それは、私が日本社会で失ってしまったもので、特に今年、取り戻そうとしているものなのかもしれない。もっと、言葉にしていこう。きっと、どう返事をしたらよいのか?を考えるよりも、愛を周りに伝えていくことが大事なんだ。

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