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未来のための経済思想史【本:不確実性の時代 The Age of Uncertainty】

「不確実性の時代」と聞いて、つい最近のVUCA(Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字)時代のことかと思いがちだけれど、この本が書かれたのは1979年。この本の中では、経済思想に見られたゆるがぬ確実性との対比とする「不確実性」といわれていたけれど、結局、いつの時代を切り取っても「不確実」なのだ、と考えさせてくれる。そして「現在」が、歴史の脈絡でどう位置付けられるのかも。この日本語版は50万部を超えるベストセラーになったといわれているので、「不確実性の時代」というのは、シンプルで、誰もが理解しやすく、ある意味不安感を煽りやすいキャッチ―なタイトルなのかもとも思える。

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@The Age of Uncertainty by John Kenneth Galbraith 
・原著のガルブレイス氏は、経済学者とはいえ、データや実証を使わず歴史や言葉で説明する経済学者兼歴史学者という印象。

・「不確実性」は、第一次世界大戦前後を契機とする決定的変化から生まれた

・人びとの根強い傾向として、自分が持っているものを守り、持ちたいと思っているものを当然の権利として正当化したがる気持ちがある。
・すべての経済学は、農業経済学だった
・マルサス(人口論)とリカードが現れてから、経済学は陰鬱な科学となった

・アイルランドとイングランド
アイルランドでは、これまでたいていのことが病虫害のせいにされてきた
食糧供給が人口増加に追いつけず、小作人が地主との戦いに敗れた
インドではつねに旱魃(かんばつ)や洪水が凶器とされるのと同じ

・アダムスミス、マルサス、リカード
・第一次世界大戦、社会主義政権、大恐慌、ケインズ革命、第二次世界大戦、そして著者なき後の、冷戦終焉、市場経済の全開、世界的金融危機

・クルーグマンの著者「格差はつくられた」

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「講談社学術文庫のシンボルマークはトキを図案化したものです。トキはその長いくちばしで勤勉に水中の虫魚を漁るので、その連想から古代エジプトでは、勤勉努力の成果である知識・学問・文字・言葉・知恵・記録などの象徴とされていました」

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