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さよならジャンヌ

しがない弱小バンギャルの独り言です。

Janne Da Arcの話

静岡の田舎の高校生だったわたしは、それまでV系というものには縁遠かった。90年代のV系ブームは対岸の火事のような表情で見送り、日々ワイドショーでメイクをしたバンドマンの話題が出たり、神宮橋を覆いつくすコテコテのゴシックに身を包んだお姉さまがたは、どこか遠い世界の住人だった。
Janne Da Arcと出会ったのは偶然だ。部活の合宿中、宿舎で夜テレビを流しながら談笑したり、勉強したりしていた。そのテレビが今週のヒットチャートと称して流した「マリアの爪痕」のMVがすべての始まり。
「マリアー!」から始まる田舎の高校生には少々刺激の強い大人な歌詞と、大胆なアングルのMV。かっこいい。これはかっこいいものだ。

地元の図書館は邦楽のCDを少しだけ置いていて、貸出ができるようになっていた。そこでJanneの音源を借りてはMDに録音し、Dry?やsisterの歌詞にまるでエロ本を隠し持った男子中学生のように興奮しつつも悟られないようこそこそと聴いていた。
Janne Da Arcを家族に知られたのは月光花でブレイクした時だ。この歌詞はさすがに教育に悪いだろうと思うが、蓋を開けてみれば母親と妹がハマった。余談だが母親と妹はジャニーズやK-POPが好きな自称「面食い」で、わたしの好きなバンドやアーティストはことごとく蹴散らされてきたのだけれど、なぜかJanneだけは2人とも気に入ってくれた。メンバー5人の仲の良さが伝わるオフショットや雑誌のインタビュー、そして何よりライブのかっこよさに引き込まれたのかもしれない。最終的にはわたしの知らない間に母はファンクラブに入っていたしわたしの知らない間にチケットを買ってライブに行っていた。

受検やら何やらでライブに行けたのはJOKERツアー以降なので、実は大阪城ホールのDearlyには行けていない。一生のうちで行かなかったことを後悔するライブを尋ねられたら、今でもこのライブの名前を挙げる。
Janneを通じてたくさんの人に出会った。友達が好きだから…という理由で紹介された子と、18きっぷで枚方まで行った(13時間くらいかかった)。メールだけのやりとりでいつの間にかフェードアウトした人、一緒にさいたまスーパーアリーナでライブを見た人、今でもバンギャル友達として付き合いが続いている人。先日のROCK婚もJanneが好きな人縛りだったから、今でもJanneはわたしといろんな人を繋げてくれている。

Janneはわたしにたくさんのものをくれたので、その分、Janneの話をするのに過去形で語らなければならない結末になってしまったことは非常に残念に思う。
12年前に他のバンドのファンから「大丈夫だよ!ウチだってソロやってるけど定期的にバンドでもライブしてるよ!」って言われたことを、大人げなくも3月31日までは心のどこかで縋っていたし信じていた。恐らく言った本人もこうなるなんて思っていなかったと思うので申し訳ないがこちらとしては喪失感が強いので言わせてもらう、恨むぞ
引っ越しの時に自宅から出てきた「ソロやります宣言」のハガキには、確かにバンドとしても活動を並行しておこなう旨が記載されていたのに、いつの間にか活休していたことになっていて、そしてそのまま帰ってくることはなかった。

ソロは追っていなかった。ABCは確かに耳馴染みのいいyasuの音楽なのだけれど、kiyoのキーボードの職人芸を愛していたわたしとしては、やっぱりkiyoちゃんの音が恋しかった。勿論それぞれがパワーアップして帰ってきてくれるに越したことはなかったのだけれど、上記の経緯からわたしはJanneは活休していないと(まじめに結構最近まで)思っていたので、実質何もしていないけれどどうにもなっていない状態で10年以上宙ぶらりんの認識だった。此度の解散を悲しむ一方、ようやくこの状態に名前が付いたことにだけは、少しだけ安堵している。
もう、いつ復活するかを考えなくても良くなった。今推しているバンドがツアーを発表した時、それがJanneの記念日と被っているとどうしても「万が一」を考えてしまう。ちょっとした大きめの出費があると、万が一今復活されたときにファンクラブに入りなおしてチケットを…と考えてしまう。心のどこかに必ずJanneの万が一用のリソースを用意していた。それも、もう要らないのだ。そう考えたらなぜかほっとした。ずっと抱えていたものを少しだけ地面に置いたような気がする。yasuも、そうだったのかな。

yasuのコメントを読んで、yasuはもうJanneのyasuではないんだな、というのがまず最初の感想だった。いつから彼はJanneを背負うべきものとしていたのか、そしてその重みを苦痛に感じていたのかは本人にしかわからないけれど、Janneを背負うことをやめたyasuと、彼を責めないでくれと庇う残りの3人と、どう見ても誠意に欠けるコメントを残して去ったka-yu。

きっとわたしの好きだった仲良し同級生の5人ではもうない。

DearlyのDVDの特典映像に入っていた、5人並んで歩みを進める、あの5人は、正真正銘もう過去のものだった。それを実感したような気がする。
ka-yuを除く4人はこれからも音楽活動を続けるらしいので、この界隈にいればまたお目にかかる機会もあるかもしれない。もちろんこれからも個々の活動を応援しているけれど、わたし自身は「これから」に持ち込むのは、Janneの素敵な音楽と、Janneがくれたたくさんの思い出だけでいいかな、と思う。12年待ったバンドにこんなにも未練がないものかと思うけれど、12年の間でわたしには他にも大事にしたいものができてしまった、それほどまでに長い時間だった。

「湖」というわたしの大好きな曲の歌詞に則って、ここはひとまず「ありがとう」と伝えたい。
Janne Da Arcであり続けた5人のこれからが、良いものでありますように。

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静岡県出身、関東在住。都内某所でWebデザインとUI設計をやっているデザイナーのはしくれです。ばんぎゃる業をゆるく営んでいます。摩天楼オペラの苑さんが推しです。ゆるゆるな清水サポですがゆるゆる故あんまりサッカーの話はしません。Tw:@P1zza3131
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