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今日はこなもんの日

叱責を覚悟で書くのだが
私は大阪が、苦手である。

もっと厳密にいうと、大阪にはかなわないと
ジェラシーを強く感じる。

それに薄々気づいていながら
嫌いになろうと必死でもがいて 歪んでいる。

だから ”こなもん” というと
大阪風でなく ”広島の”お好み焼きがいい。
と偏屈にも強調する。
ちなみに 広島には”広島風”お好み焼きはない
ただ お好み焼きがある。それがほかの地方の人からみれば
まさしく広島風お好み焼きなのである。
その構造を真似て、”お好み焼き”が好きだという。
そして、ただし、”大阪風”でないよ、と但し書きをつけるのである。

高校生のとき、阪神タイガースが優勝した、
そのときの阪神ファンのはしゃぎようを みっともない、と思った。
灰谷健次郎の「太陽の子」を読んで、
沖縄出身者をいじめる犯人を大阪人にすりかえた(小説の中では舞台は神戸だ)

正確にものを判断できていない。

大阪で食べたお好み焼きは メッチャうまかった。
鶴橋で食べた焼き肉も最高だった。
やはり「くいだおれ」の名に恥じない。

そう評するのもいやで、大阪のこなもんなんか
ソース塗っときゃ たいてい 美味いんだと
うそぶいた。

そのくせ 広島風お好み焼きを食べるときに
おたふくソースをたっぷりかけるのである。

味は上塗りできるのかもしれないが
心の目までは隠せない。

大阪の人は機転が早い人が多い
ずばり言い当てる人が多い。
すくなくとも私の経験ではそうである。

そういえば、事務職のころ
表計算をとりいれることになった。
お歳暮の注文を総務で一括して処理していたが
従前は手書きの表であった。
それを Excel(当時は実はLotus123だ)に打ち込んでみた。
そして並び替えると、なんと同じ顧客に2つの注文が入っていた。

わざとらしく、担当者を変えてあったのだから
確信犯といってもいい。
上司に報告した。

上司はそこは 大阪営業所で懇意のお得意らしい
というから、
その横の欄に顧客別売上実績を表示した。
上司も、しばらく私の顔をみつめていたが、諦念し、1注文に絞った。

新年会で 大阪営業所長が本社にやってきた。
おまえが あの歳暮担当か、と訊かれた。
「あんまり細かいこというてると、出世せぇへんぞ!」

所長のいうとおり、私はいまでも たしかに出世していない。

これからは、大阪風に商売っけよく物事を段取りすることは
重要なファクターになると真面目に考えている。

優柔不断よりも大胆不敵に
理由や理屈でなく、シンプルかつ明確に話すこと

自分に足りないところを大阪人はもっている
というのも実は 事実をとらえそこねているのかもしれないが
ソースをかけて とりあえず平らげることに決めたのである。

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