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食ってないもの

「食わず嫌い」という言葉がある。
私は人生においてなるべく食わず嫌いは無くそうと心がけている。食ってからでないと分からない事があるからだ。百聞は一見にしかず。論より証拠。せっかく一回きりの人生なのだから何事も経験しておくに越したことはない。

例外はある。例えばホストには行きたくない。なぜならお酒もあの髪型も知らない人とのおしゃべりも苦手だからである。それにもし行って楽しくてハマってしまったところでホストに費やすお金なんてない。だから万が一社会勉強のためとして行かねばならない事態に陥ることがあるとしたら、それはもっとお金が入るようになってからだ。

でも、クラブにはいつか行ってみたいと思っている。
クラブだってお酒を飲むし、派手な格好の人がいっぱいいそうだし、仲間を作るためにおしゃべりも必要だろう。でも、ホストとは違う何かがありそうなのだ。予感というか、勝手な偏見なのかもしれないけど。
昔はクラブに対して怖いイメージもあった。女が行くとなればなおさらである。変なものを喫わされるかもしれないし、変な虫に絡まれる可能性もあるので油断できない。それこそ金銭的なトラブルだってあったことだろう。でも、最近のクラブは違うという。もちろん怪しいところもあるだろうが、ちゃんとしているところはちゃんとしているのだ。何がどうちゃんとしているのか、なんて具体的にいうことはできないけど。何しろ、まだ"食ってない"のだから。
単純に興味もあると思う。ホストには惹かれないけど、クラブには多少の興味があるのだ。
例えばDJ。私はプロのDJというものを見たことがない。クラブにはDJがいるはずである。彼らが奏でる音楽というのを一度でいいから生で聴いてみたい。
いったいどんな音楽が鳴っているのだろう。みんな踊っていると聞くが、普段面倒くさがりの私でもおもわず体を動かしたくなるほどの魅力的な音楽なのだろうか。
「キマる」とか、集団催眠みたいな感じなんだろうか。私にそんな魔法がかかるのだろうか。いざ、催眠にかかろう!と意気込んで行ったところでそんなに上手くはいかないだろう。多分どこかで冷静な脳と羞恥心のせいで踊れない可能性がある。自己催眠みたいなものだろうか。もしそうであったら、私は意地でもかかるまいとするだろう。お酒も飲まないのでクラブの端っこでみんなが踊る様子を見ているだろう。ただ、それで本当にクラブに行ったことになるのか?クラブに行ったのだから踊って帰らなきゃ意味がないのではないか。でも、無理して踊るんだったら私にとってクラブは間違いなく食って嫌いになる部類の方だろう。
もしこんな私でも一心不乱になって踊るような事態になったら、それはもはやドラッグである。そんな音楽はやる気がない時や朝の目覚めが悪い時にかけてみたいものである。重宝したいものである。

まあこんなところでだらだらと言葉を並べてみたところで、考えが堂々巡りになるだけで拉致なんかあくわけない。何しろ、私はまだ"食ってない"のだから。


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