見出し画像

ARアプリが未解決事件の手掛かりに!?高い再現性で情報提供を促進。

AR(拡張現実)の技術はユーザーの周囲にコンテンツで情報を再現し、別の場所に「あたかもそこにいる」ような感覚を得ることができます。この特徴を活かし、ARアプリで未解決事件の解決を試みる活用が米国でされています。

画像1

2017年2月、アメリカのインディアナ州デルフィーでハイキング中の少女2人が殺害され、遺体で発見されるという事件がありました。事件発生から約4年経った現在も、容疑者は見つかっていません。被害者の所持していたスマートフォンに、容疑者とみられる男性の姿と声が記録されていたことが唯一の手掛かりだったのです。

これを受けて、スマートフォン向けARアプリ「CrimeDoor」の開発者Neil Mandt氏は、容疑者とみられる男性の姿や現場の様子をアプリ内に忠実に再現しました。AR体験を通じて、事件の解決に繋がる手がかりを思い起こさせ、警察への情報提供を促します。

本アプリは無料ダウンロード(iOS/Android)が可能で、特定の事件のARデータをダウンロードするためには1.99ドルを支払う仕組みです。

殺害された少女の姉であるケルシー・ジャーマンは、「ARの活用は、非常に多くの人々を助け、犯罪の視点を変えようとしています。そして、うまくいけば、多くの未解決事件を解決しうるでしょう」と語った。

「CrimeDoor」はまるで現場検証に立ち会うかのような体験をもたらします。デジタルで事件現場のモノン橋の上を歩き、容疑者である男の近くやその周りを歩くことができます。

このアプリは、未解決事件の捜査を助けるツールとして警察やFBIからも認められているとのこと。

開発者のNeil Mandt氏は、アプリについて「私は何も推測していない。事実に基づいて構築するだけだ。事実のみを可能な限り正確に再現し、推測の余地がないようにしている。我々の努力は、可能な限り正確にすることであり、 推測をしないことである。」と説明しています。

画像2

また、ARアプリを活用することについて、鑑識のPaul Holes氏は以下のように述べています。

「私が考える優先事項の一つは、殺人現場であろうと誘拐現場であろうと、常に現場に出向き、立体的な空間的側面を得ることです。このアプリは、現場に行かなくてもそれを可能にしてくれます。立体的な側面を見ている人は、誰かの記憶を呼び起こしたり、誰かの思考を呼び起こしたりして、最終的に容疑者が誰であったかを特定し、事件解決を進めるのに役立つかもしれません」

開発者のNeil Mandt氏によると、警察機関は「CrimeDoor」を利用して、事件の刑事以外はアクセスできない犯罪現場のARを独自に作成することができ、今後の捜査の助けになる可能性がある、と語っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?