コロナ禍で就活をした地方学生が、梅干し屋になることを決めた話
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コロナ禍で就活をした地方学生が、梅干し屋になることを決めた話

はじめまして、ブトウムと申します!
この度、就職活動を通して進路が決定したので、noteで報告したいと思います。同じような境遇の方の参考になれば幸いです。

はじめに

僕は新潟にある高専に通っていて、専攻科という課程に内部進学しました。専攻科へ進学した当初は大学院へ進むことも考えていたのですが、早く社会に出たい気持ちが強くなったため、卒業後は就職することに決めました。

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就活の面接で、「あれ、大学だと何年生?」みたいな質問をされることが多かったので、ポートフォリオにこんな図を貼り付けていた

どんな企業へ就職するか?

2020年4月、ちょうど専攻科へ入学するタイミングでコロナ禍がやってきました。多くの業界が苦しむ中、例にもれず家業もダメージを受けました。僕の家は農業を経営しており、様々なイベント中止の影響で花の需要が落ち込み、売り上げが減ってしまいました。

丹精込めて作ったモノが評価されない、そんな現状に課題を感じました。また、地方におけるデジタル化の遅れも問題になる中で、将来的には農業や地方で頑張っている事業者を応援する仕事がしたいと考えていました。

そこで、新卒では伸びている業界に身を置こうと思い、IT業界を志望しました。数年働いてスキルを伸ばし、自分の武器が持てたらいいなと思ったからです。また、僕が新しいWebサービスに触れることが好きだったのも理由の1つです。

ちなみに学校では土木や環境工学といった学問を学んでいるため、IT業界は全く関連がありませんでした。笑

簡単ではなかったコロナ禍での就活

2021年1月頃から就職活動を始めました。前年夏のインターンに参加していなかったため、ゼロからのスタートです。
また、世間では「高専生は就職に強い」というイメージを持たれがちです(実際に1社だけ受けて就活を終えるケースも多い)。しかし、異なる業界、かつ職種もエンジニア志望ではなかったため、イレギュラーな就活となりました。

会社選びにおいて求めていたこと
・業界:IT業界(主にWeb系)
・職種:ディレクター, PM, 企画職など
・勤務地:県外(受けたのはほぼ東京の会社だった)

7年間も同じ環境にいるため、相対的に自分の力を試したかったこともあり、このような環境を望んでいました。また、県外を希望していたのは、一度別の土地で働いてみることで、見えてくるものがありそうだと思ったからです。

Zoomの普及が地方の学生を救ってくれた

コロナの影響もあり、選考は最後までWeb面接でした。録音していた自分の喋りが予想以上にひどかったため、もっと面接を練習する機会を増やさなければと痛感しました。しかし、身近に社会人もほとんどおらず、OBOGの繋がりも希薄…。

どうしようか考えていたところに頼もしい就活サービスを見つけました。Matcherという、社会人の方が就活生の進路相談に協力してくれるサービスです。本来、OB訪問はリアルの場で行われるため、首都圏の学生の方がチャンスに恵まれています。しかし、「オンラインが当たり前」になった現在は、地方で暮らす自分でも何不自由なく利用することができました。

Matcherを利用して、模擬面接や進路相談をすることができたため、就活を1人で進める不安感を払拭できました。

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模擬面接の際に共有していた採点シート
社会人の方に採点してもらっていた

しばらくは、午前中に学校で授業や研究、午後から就活、みたいな生活をしていました。「今までは移動する必要があった面接やOB訪問が、学校にいながら実施できる」これはコロナ禍がもたらした大きなチャンスでした。そのため、地方に住んでいながら都内の企業をどんどん受けることができました。

しかし実際には、模擬面接では手応えを感じていたものの、最終面接まで突破することができませんでした。不合格になった理由が不明確な状況で、自分の就活はスランプに陥ってしまいました。

ポッドキャストの繋がりで就活状況が好転

裏ドングリへの入会
就活解禁からしばらく経った5月中旬に、大好きなポッドキャスト番組「ドングリFM」のコミュニティに参加しました(通称”裏ドングリ”)

裏ドングリは「ドングリFMが好き」という共通点だけで集まったオンラインコミュニティで、入会当時に学生メンバーは自分だけでした。住んでいる場所や仕事もバラバラな、多くの社会人の方に進路相談に乗っていただきました。

裏ドングリにはIT業界で働かれている方が多く、”会社のHPや説明会からは知り得ない”リアルな情報を教えてもらいました。また、自分が受けていなかった企業を紹介していただき、実際に選考へ繋がったこともありました。裏ドングリへ入会した後、面接が順調に進むようになり、自信もついてきました。

新潟のかっこいい大人と出会う
裏ドングリへ入会してから1ヶ月、幸運なことに新潟の大先輩とお話しする機会がありました。こんな貴重な機会を作ってくれたパーソナリティのnarumiさんに感謝です。

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・「カレーとごまどうふの店」石本商店を営む大島さん(左)
・苺の生産&プロデュースを行っているSHOKURO代表の山倉さん(右)

大島さんと山倉さんの共通点は、「新潟で、家業をリニューアルして挑戦している」こと。自分も自営業の家庭に生まれたので、「いつかはお二人みたいな活動がしたい」と思っていました。そんなお二人から、継業してから現在のスタイルを確立するまでのお話や、その中での苦労を聞きました。

新潟の大先輩に偶然お会いできて驚いたと同時に、直感的に「挑戦するなら早いほうが良い」と考えが変わった夜でした。

"梅ボーイズ"を知った

STRATE CAST」というポッドキャスト番組で紹介されたことがきっかけで、梅ボーイズの活動を知りました。梅ボーイズとは、「梅農家と消費者の新たな関係づくり」を進める梅干し屋さんです。

代表の山本将志郎さんは梅農家の息子であり、農業の衰退に危機感を覚え、大学院中退後に起業。ブログを遡って見てみると、就活で外資系コンサルやリクルートの内定を辞退していたことを知りました。客観的に見れば、就職して経験を積むには最適な環境でありながら、「自分がこの立場だったら同じ意思決定ができるのか…?」と考えさせられました。

梅干し屋として梅農家の人々を幸せにすること、それが今の目標です。

そんな就活真っ只中の6月、収穫のお手伝いに応募したことがきっかけに、山本さんと連絡を取り合うようになりました。
(しかし、実際には自身の体調不良で収穫作業に参加することができず、せっかくのチャンスを逃していました。)

就活ラストスパートで抱えた葛藤

7月に入り、2022年卒の募集も減ってきました。6月末の時点で、選考を受けたのは合計で約15社でした。

梅ボーイズ代表の山本さんとお話しする
7月中旬、山本さんの梅を購入したことがきっかけで、再度連絡をいただきました。その中で、「一度、Zoomでお話ししませんか?」とお声がけいただき、今後の梅ボーイズの活動についてお話を伺いました。

実際に梅を購入したときのツイート

Zoomを通して、山本さんが次の2点を伝えてくださりました。

1. 事業を拡大していくために、新たな仲間を探していること
2. 梅だけでなく、一次産業全体を改革していきたいと考えていること

現在は、会社経営を山本さんだけが担っており、「これからもっと事業を拡大していく中で、共に事業を進めるパートナーを探している」と仰っていました。
まだ就活の途中だったため、この時点では山本さんからのオファーに返事をすることができず、「前向きに検討します」と言ってしまいました。

どの船を選ぶか決断する
就活に話を戻すと、最後に選考を受けたのは、急成長しているフェーズのメガベンチャーでした。選考も順調に進み、「もし内定が出たらここに決めよう」と思っていました。納得がいくまで就活を続けてきて良かったと実感しました。

この時点での選択肢
・ブランディングコンサル会社
・Webサービス運営会社
・梅ボーイズ
・最後に受けたITメガベンチャー

しかし、2次面接の終了後、「自分のやりたいことに対して、志望動機を無理に寄せてしまっているのではないか」と内省しました。
また、身近な事業者を幸せにするには、より深く関わるために地域に根ざした活動をするべきだと、改めて感じました。

成長できる環境であり、選考もテンポよく進んでいたのでかなり葛藤はありましたが、最終面接の直前で辞退することを決めました。

こうして7月末に、自分の就職活動は幕を閉じました。

これからどうするのか?

▷梅ボーイズ代表の山本さんと、一次産業を変えていきます
先日、ようやく進路を決める覚悟ができ、梅ボーイズの山本さんと二人三脚で事業に取り組んでいくことに決めました。
これからは、山本さんと一緒に梅を広めていくとともに、"一次産業"という幅広い領域で、より多くの事業者さんを幸せにするための活動を行っていきます。もちろん、家業の方にも力をいれて、花農家の場合だと何ができそうか、考えていきたいと思います。

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一緒に働きたい旨を連絡した際にいただいたメッセージ

就活を始めた頃は、「新卒は大企業へ入るべき」「IT業界でスキルを伸ばすと将来役に立ちそう」といったことを念頭に置いた上で進路を選んでいました。しかし、様々な社会人の方と話してみて、就活・キャリアにおける"あるべき論"から脱却することができました。

最後に、喜多川泰さんが書かれた『手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙』という小説をご紹介します。この本に書いてあった「会社選びは航海に出る船を選ぶこと」という表現が印象的でした。

重視しなければならないのはその会社という船の航海の目的が、
乗組員であるあなたをワクワクさせるものかどうか

もちろん、上京することや、キレイなオフィスで働くことへの憧れもありましたが、最終的には「その船がどこへ向かって進んでいるのか」を重視して選ぶことができたと思っております。

最後に

【まとめ】〜就活を通して重要だと感じたこと〜
・カッコいい社会人と話して、多様な価値観を知る
・チャンスがあったらとにかく乗っかる
・最後は自分の判断軸で決断する

就活を通して、本当に多くの方にお世話になりました。進路相談や面接練習にご協力していただいた皆さまに心から感謝しております。

今後の具体的な活動については、また別の機会に書きたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!

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