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【概要】【ざっくり】国際課税・国際税務とは ~カッコつけないで解説~

固く言うと① 概要

国際課税制度は、国際的に活動する企業・個人の課税関係を調整する仕組みです。国際的にルールを統一化・明確化しておくことが経済活動や行政にとって重要ですので、日本の国際課税制度は国際的な議論も踏まえて設計しています。
財務省HPより引用

カッコつけずに言うと

国際課税制度とは、国と国との間で、うまいこと税金のルールを整備することだよ。ルールを整備しないと、例えばこんな問題が発生するよ。

どの国も税金をとりっぱぐれる問題(固くいうと「課税の空白」)
国際的な活動をするバカでかい企業(Ap●leやFa●cebook)を想像しよう。彼らが行う複雑かつインターネット上の取引だと、
「どの国も税金とれてないじゃないか!」といった事態が発生しうるよ。
いわゆる、野球でいうところのポテンヒットだね。
そうすると、俺ら庶民にばかり税金かけやがって!と不公平感がでてくる。

税金かけられすぎ問題(固くいうと「二重課税」)
例えば、あなたがA国で儲けがでたとしよう。その場合、A国で税金がとられ、かつ日本でも税金がとられたら、「税金とられすぎじゃねえか!」と怒りがこみあげてこない?そんなことなら、海外で儲けを得ようなんてしなくなるよね。そうすると、みんな国際的な経済活動をしなくなっちゃうよね。

日本も、独自にルール作りしているわけではなく、国際的な議論を踏まえてて行っているよ。国際的な議論とは、いわゆるBEPSのことだよ。

固く言うと② BEPSとは編

最近の主な国際的取組みに、「BEPS(Base Erosion and Profit Shifting(税源浸食と利益移転))プロジェクト」があります。これは、多国籍企業による国際的な課税逃れを防ぎ、公平な競争条件を整えるために、日本も参加してOECDが中心となって進めたもので、2015年10月に主要国間で合意し、今や110か国超が参加する一大プロジェクトです。
この背景には、世界各国がリーマンショック後に財政状況を悪化させて、より多くの国民負担を求める中、多国籍企業が各国の税制や国際課税ルールのずれを利用することで課税逃れを行うことに対する批判が高まったことがあります。現在は、BEPSプロジェクト参加国が合意内容に基づいて、国内法の整備や租税条約の改正を行っています。
財務省HPより引用

カッコつけずにいうと

BEPSプロジェクトというのは、「どの国も税金をとりっぱぐれる問題」に対処するためのものだよ。それぞれの国で独自に対策を立てることには限界もあるから、OECD加盟国が中心となってルール作りをみんなで行おうとする取り組みなんだよ。日本の税制も、BEPSプロジェクトを受けて、どんどんアップデートされているよ(現在進行形)

以下は、日本における国際課税制度で重要なものを3つピックアップしたよ。単語だけでも覚えておいたほうがいいかも。

①移転価格税制
ざっくりいうと・・・
税金の安い地域で儲けを多くして、税金の高い地域で儲けを少なくすることで、税金逃れをしようとする場合に課税するもの。
親会社って子会社に高く売ったり、安く売ったりある程度自由にできるじゃない?それを利用して、儲けの調整や税金逃れができてしまうので、それを規制しようとしてます。
移転価格とは、親会社が子会社に売る(移転)するときの価格と理解しておけばOK。
②過少資本税制
ざっくりいうと・・・
海外にある親会社等に利子を支払いまくって儲けが減らし、税金逃れをしようとする場合に課税するもの。海外にある親会社等に限定するのがポイント。なぜかというと、日本にある親会社だったら、利子の見合いに受取利息が発生してて、そこに税金がとれるから。
「過少な資本」、言い換えれば、「過大な借入(借りまくって利子を払いまくる)」と理解しておけばOK。
③外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制又はCFC税制)
ざっくりいうと・・・
実態のない子会社を税率の低い国に設立して、それで税金逃れをしようとする場合に課税するもの。タックス・ヘイブン(tax haven)とは租税回避地の意味。天国(heaven)じゃない点に注意だよ。「税金天国だよ」とか間違っても言わないように。ちなみに、CFCとは、Controlled Foreign Companyの略だよ。

まずはざっくり概要を、カッコつけずにつかもう!!

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