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【前編】PIVOTが求めるクリエイターの資質

「コンテンツの力で、経済と人を動かす」をビジョンに掲げ、サービスを開発中の新会社PIVOT。

ここに集まるメンバーには、どんな思いがあるのか。

これから何を生み出そうとしているのか。

活字チームのメンバーが、新時代のクリエイターと組織について語った。

スピーカーは、PIVOT代表取締役CEO・佐々木紀彦、エグゼクティブ・ライターの宮本恵理子、エグゼクティブ・エディターの上田真緒。鼎談は9月上旬にオンラインで実施。文中敬称略。

ライブ感と緻密さ

上田 今日はPIVOTの活字コンテンツをつくるメンバーの宮本恵理子さん、私・上田真緒、佐々木紀彦さんの3人でトークをします。

佐々木さんのスケジュールが詰まっていてタクシーで移動中に話すというので、私、ざっくりした台本を用意しました。Zoomで共有しますよ。(モタモタして)お二人、見えますか。

宮本 (自宅から)見えます。

佐々木 (タクシーの中から)見えました。私は何を話せばいいのでしょうか。お二人だけで対談していただいても大丈夫です!

上田 いやいや、佐々木さんにも語ってもらわないと活字チームの記事が成立しません。

宮本 PIVOTで活字コンテンツをつくるメンバーは、こういう特性や強みを持っている人だ、という感じのことですよね。

上田 そうです。PIVOTはどんな会社で、どういう人を求めているのかが伝わるように。質問に対する空白部分を語ってもらえますでしょうか。

佐々木 もっと人間性が出た方がいいんじゃないかなあ。こういう人たちと一緒に働けるんだとわかるように。台本はなくてもいいのでは?

上田 大まかな流れは必要だと思います。今回原稿を書くのは私で、佐々木さんの移動中に鼎談をちゃんと着地させて3部作くらいに仕上げたいんです。

宮本 まさにこの会話がすごく面白いと思います。ライブ感を大事にするビジョナリーな佐々木さん、緻密に企画をつくり上げていく上田さんのバランスが絶妙。

上田 ライブ感も大事ですが、内輪ネタに終わらせず、読者の皆さんに何か得てもらえるようにまとめたいので。

佐々木 わかりました(笑)。では何を話せばいいですか。

宮本 やっぱり佐々木さんからしか言えないこととして、上田さんになぜPIVOTに参画してとおっしゃったのか。

佐々木 そういう話はいくらでもしますよ。

上田 では語ってください、どうぞ。

野球で言うとジャイアンツの坂本選手

佐々木 上田さんは「東洋経済オンライン」でご一緒してからだから、もう9年ぐらいですかね。

上田 はい、2012年に佐々木さんが「東洋経済オンライン」の編集長に就任されるときからです。それからNewsPicksに行って、PIVOTにも付いてきました。

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上田真緒/PIVOT エグゼクティブ・エディター
「日経ビジネスアソシエ」「東洋経済オンライン」「NewsPicks」で
編集・執筆を手がけ、「NewsPicks Magazine」創刊編集長に就任。
「NewsPicks」では経営者や著名人の半生をストーリー仕立てにした連載「イノベーターズ・ライフ」「シゴテツ -仕事の哲人-」を統括。
ビジネス小説「ディスラプション」を執筆したこともある(未完)。

佐々木 上田さんのすごさはやっぱり実行力、実現力、あと耐久力ですね。短期間、結果を出せる人は世の中にたくさんいるんです。けれども、長期間にわたって安定的に高いパフォーマンスを出せる人はほとんどいません。

野球で言うと、ある年に3割打てる人はいても、何年もずっと3割打てる人はなかなかいない。昔の篠塚(和典)さんみたいな人(注:通算打率.304)。ちょっとたとえが古いですね(笑)。

宮本 急に昭和感が出る。

佐々木 最近だと誰だろう。2000本安打打った栗山巧選手。もっと有名なのは、ジャイアンツの坂本(勇人)選手!

上田 野球を見ないのでわかりませんが。

佐々木 坂本選手は高打率でしかもホームランもコンスタントに打っている。安定してパフォーマンスを発揮できるのは、ものすごく貴重なことなんですよね。

この9年間、上田さんのパフォーマンスが私の期待を下回ったことは一度もありません。私が編集長時代の「NewsPicks」でも課金獲得数のトップを張って“課金クィーン”でしたし。

上田 褒めていただいて、ありがとうございます。

宮本 佐々木さんが求める基準って、きっとものすごく高いですよね。

佐々木 高くていろんな方を苦しませたかもしれません……。

上田 私は苦しくはないですが、「おもつらい」です。これは糸井重里さんがかつて語った言葉で「おもしろい+つらい」の造語です。これもかなり古い。

種目が変わっても安定的に結果を出せる

佐々木 上田さんのすごいところをもう1つ付け加えると、今の時代に適応するには、同じ業界で仕事をしていても、種目がどんどん変わっていくわけです。ある時は野球、ある時はサッカー、ある時はラグビー。それでも安定的に結果を出せる。

宮本 つまり、「PIVOTできるハイパフォーマー」ということですね。

佐々木 うまくPIVOTにつなげましたね(笑)。そういう人はほかにあまりいません。

上田 褒められすぎて気持ち悪い記事になりそうなんですが、確認のために聞きますよ。

PIVOTして「種目が変わる」というのは、軸は同じコンテンツづくりで、そこから無料コンテンツや有料コンテンツ、紙の雑誌(「NewsPicks Magazine」)などに変わっていった、と。

佐々木 そうです。映像の鼎談コンテンツもつくりましたよね。

上田 ああ、テレビ番組のAD気分でカンペを出したりテロップをつくったりしました。楽しかった!

ルールが変わっても適応できる

佐々木 同じ種目でもルールが変わる場合もあります。たとえば柔道もルールがどんどん変わっていく。

日本人選手はルールチェンジに弱い傾向があるので、ちょっとルールが変わったら五輪のメダルが減ったりすることがあります。

けれども、上田さんはルールが変わってもどんどん適応できる

たとえば、サッカーでも戦術のトレンドがあって、5年前に最善だった戦術があっという間に陳腐化して新しいものが求められたりします。

今で言うと、フォワードなど攻撃的な選手も、守備を高レベルでできないと試合に出られません。そうすると、昔のトレンドのときは良かった選手が活躍できなくなったりするんです。

上田さんはどの戦術トレンドでも適応できる。これは、サッカー好きの人しかわからないたとえかもしれませんが(笑)。

上田 サッカーもよくわかりませんが、佐々木さんがスポーツ好きだということはわかりました。

佐々木 人間はやっぱり生物学的に年を重ねると、適応力が落ちますよね。けれども上田さんは経験を重ねて足腰を生かしながらPIVOTしていけるのが素晴らしい。

上田 Zoomの画面共有でモタモタするたびに、佐々木さんに呆れられていますけど。

佐々木 そこは早く適応してください(笑)。

「自分3.0」を目指せ

上田 そのほかに私への要望や、まだ褒め足りないところはありますか。

佐々木 私にはない丁寧さ、細部へのこだわりがありますね。

上田 たしかに佐々木さんがゼロイチで壮大なビジョンをぶち上げるなら、私はイチを1.1、1.2……と、ちまちま仕上げていくタイプです。

佐々木 これからの要望としては、上田さんは今までNewsPicksで「イノベーターズ・ライフ」や「仕事の哲人」などの連載を、プロフェッショナル・ライターの方々とチームをつくり、安定的にハイパフォーマンスで運用してきたので、PIVOTではチームをもっと拡大して大きな組織にまでしてほしいですね。

その新しいチャレンジを成し遂げたら、「上田さん3.0」になるかもしれません。

上田 「私3.0」に向けてがんばります。

ここまでをまとめますと、佐々木さんはPIVOTでも種目やルールをどんどん変えていくから、それを楽しめる人を求む!ということですね。

佐々木 そうです。

上田 次は、宮本さんになぜPIVOTへの参画を決めたのかをお聞きします。


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