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多様化する社会でのデザインリサーチ:アイデンティティと自由度の話。

カナダはトロントで、サービスデザインをやっています。Pitomieです。
今日ユーザーとして受けたサーベイのデザインがとってもよかったので考察&紹介。

多様化社会で個人のアイデンティティを聞くには

北米社会は確実に、inclusion(多様性の包括)に向かっています。

昔は、調査の性別回答欄って「男性・女性」の二択でしたよね。
北米では、さまざまな人種や文化、セクシャリティの人々が共生する社会の多様化を受け、こういう質問項目の選択肢も多様になってきました。特に、質的調査を多く行うデザインや行政の領域では気を使います。

私はこれまでサーベイを制作する際に、性別欄はこう設定してきました。

・Male(男性)
・Female(女性)
・Non-binary/Third gender(男女という二極に当てはまらない人、中間の人)
・Prefer not to say(答えたくない)
・Other: Please specify(その他:自由回答欄)

トランスジェンダーなど、多様なジェンダーとセクシャリティに配慮したデザインです。

今日、Service Design Network Canadaからメンバーの人口調査をしたいからよかったら答えてと回ってきたサーベイでは、こうでした。

このサーベイが少し違ったのは、「Prefer to self-describe(自分で記述する)」という項目。

これ、other+自由回答テキストボックスと同じことなんですけど、表記がとてもいいなと。

それは、「other/その他」という言葉には、排除的なニュアンスが含まれることがあるから。もちろん発信側にそんなつもりはなく、決められた項目に当てはまらない人がいた場合自由に回答してもらおうという配慮なんですが、歴史的・社会的に排外されてきたアイデンティティの人からすれば、気持ちいい言い方ではないかもと気づかされました。

「自分で書きます」という表記のほうが、ずっと気持ちいいですね。
今後、ワークショップの参加者募集や量的調査でサーベイを作る際は、こうしようと思いました。

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