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創作童話「森の魔女」「レモネードスタンドのおきゃくさま」他

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創作童話です。たのしんでね。 「森の魔女」 「レモネードスタンドのおきゃくさま」 「キジと小さな天狗」
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記事一覧

天使のホワイトソックスちゃん

天使のホワイトソックスちゃん

ホワイトソックスちゃんが下界を見ていると、
かわいい女の子がいました。
わぁ~かわいいなぁ、守護天使になってあげるねと
一直線に、そのかわいい女の子のところに降りていきました。
その子はまだ小さいので、大人とちがって すぐにホワイトソックスちゃんをみつけました。

「あなた、天使?」

天使ってすぐわかってくれたので とってもうれしくて
「そおよ~。天使よ~」って歌うように言いました。

「いやに

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ゴブリンにさらわれた子

森の奥に、魔女の家があった。
魔女が人型のクッキーを焼いていると、その香ばしい匂いが森全体に流れていった。
その匂いをたどってゴブリンがやってきた。
ゴブリンはその家の窓から
「いい匂いだねー、それくれよ」と言いながら中をのぞきこんできた。
黒くて長い服を着た魔女は振り返ると
「いいよ。でも人間のところに行って赤ん坊をさらってきたらあげるよ」
「どうやって」
「それぐらい、自分で考え

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天国の門とある男

天国の門とある男

あるクリスチャンが死んで、天国の門の前に立ちました。
そこには天使の門番がいて男にこう言いました。
「あなたを知らないとイエスが言ってますので、ここは通れません」
クリスチャンは驚いて「私はクリスチャンです。もう一回聞いて下さい」と言うと天使は今一度聞きました。そして知らないそうですと答えました。
その横をよたよたと老人が門を通って入って行きます。
その後ろをついてクリスチャンの男は当然のようにす

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キジと小さな天狗

キジと小さな天狗

 一本道をキジが、ひょこりひょこりと歩いておった。
 時おり、キジはケーンと鳴いておったよ。
 そこに向こうから、子どもの天狗が下駄の音を鳴らして歩いて来たんだよ。
  キジを見た小さな天狗は、やおら杖を構えて何か言ったと思ったら術でキジを人間にしてしまった。
 おやまぁ、変な人間が出来ちゃったねぇ。
 突然、その人間は怒り始めたよ。
 そりゃそうだ。地面を見ながらウキウキと歩いていたら

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レモネードスタンドのおきゃくさま

レモネードスタンドのおきゃくさま

 今日もまだ、あつい日がつづきます。
 おじさんが、たくさんのレモンをケンジの家に置いていきました。
 それでお母さんがレモンのさとうづけを作りました。
  
 広口ビンの中にぎっしりと わぎりのレモンがつまっています。
 水分も 上まであがってきています。

 キッチンでそれをみつけたケンジは
「これでレモネードを作ろう」と自分に言いました。
「あつい日には、レモネード」とケンジはまた自分に言い

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森の魔女

森の魔女

森の奥に魔女の家がある。
魔女といってもいろいろだがここの魔女は特に、たちが悪い。
ほら、あのヘンデルとグレーテルを食べようとしたあの魔女の親戚かもしれない。
子供をさらってきては谷底に落としている。
なんでそんなことをするんだと退治に来た騎士に聞かれると、騎士を殺す前に言った。
「子どもは小便臭くておいしくないからね」
騎士は言った「ドラゴン退治にすれば良かった」。
魔女は騎士の甲冑をまるでエビ

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