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バス

あしたはどんどんとやってくる。きょうという今この瞬間はバス停に置いていき、日が昇り沈むころには未来だったものは過去へ、過去だったものは記憶のふるいにかけられる。こぼれおちた過去は一体どこへ行くのだろうか。生き残った過去は何故僕の中に残り続け、鳴り響き、心を震わせ続けるのか。僕はきょうもふるいにかけ続ける。瞬間瞬間を。大抵はこぼれ落ちる。さっき通り過ぎた道を歩いていた老人の性別もおぼえちゃいない。バスの揺れが僕の脳からいらないものを振り落とす。ふと不安になる。考えるのをやめてしまったらどうなるだろう。人は脳で考える。考えるのをやめてしまったら。脳は役割を果たさず、いらないものになる。そうしたらきっと私の中から振り落とされるんだわ。もしくはいつの間にか腐りきってドロドロに溶けて耳から少しずつ垂れ流していくんだわ。流れ落ちた脳とふるい落とされた過去が地面で出会って混ざり合ってそんなものが道端に転がったこの世界で、あなたは考えることをやめていませんか。ささいな過去はいらないって放り投げていませんか。道端でいろんな人にふまれて車にふまれて電車にふまれてグチャグチャに他のものと混ざり合って雨に溶けて空へ登ってまた雨として僕らに降りかかる。過去はいつでも自分に返ってくるし、失くした思考力もきっと元に戻る。そんなとりとめのないことを考えながらバスに揺られている自分は、脳が腐りかけてはいないだろうか。



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