ありったけの幸せを抱きしめた日

もう先週の出来事になってしまったことが信じられないのだが、先日、私がこの世で1番信頼しているバンドとこの世で1番心が踊るバンドのツーマンライブがあった。

一個前の日記で相当浮き足だっている様をそれなりに書いたので、この日記もどきはその続きみたいなもんである。

本当は行った当日に、べらべらと感想を書き殴ってやろうと思っていた。

しかしながら人間という生き物は、幸せの最高点を迎えすぎると、とてもじゃないがまともな日本語を考えて文に起こせるようか状態ではなくなるらしい。

なので当日はひたすらにふわふわとした放心状態だったせいで、こんな適当な文を書くこともできずに、謎に日が空いてしまった。


まあつまりは高ぶりすぎた気持ちがどっかに行ってしばし帰って来られなくなるくらいには、どう考えても今までで1番最高の夜であったのだ。

自分がこのバンドたちを好きなことを、こんなに誇り高く噛み締めた日はない。

……それはそうと、バンド名伏せているとなんだか喋りにくい。

別に自分しか見てない日記なのだから、わざわざバンド名を伏せる必要もないだろう。

その日私に最上級の幸せを与えてくれたのは、UNISON SQUARE GARDENとSHISHAMOの2組。

私の中で、この世で1番かっこよくてイケてるスリーピースバンドたちである。

曲を交えた綺麗で詳しいレポートのような話をしようとすると、今日の夜を超えて明日の朝を迎えて、また次の日の夜が来て朝も来そうなので、わざわざ書かないけれど。

簡単な気持ちと、忘れたくない気持ちを少しだけ。

とにもかくにも隅から隅までかっこよかった。

どちらもお互いへのリスペクトが素晴らしくて、会場を飲み込む技術とそれぞれが醸し出す空気は、お互い別次元の圧倒的な強さに溢れていた。

これは私の勝手なイメージだけれど、この2組はそれぞれバンドに向き合う姿勢になんとなく近しいものを感じる。

どちらもロックバンドに対してのスタンスが、なんだかとても男らしくてストイックだな、と。

向かうべき場所がハッキリしていて、自分たちの音楽の在り方とか、投げかける相手への意識とかがずっと揺るがなくて土台のしっかりした芯がある。

かといってバンドの世界に酔いすぎて、ちょっとこちらには暑すぎるんだよな…なんてこともない。

どちらもこちらへの心の自由さを必ず与えてくれて、それでいて、自分で自分を動かす原動力をくれる。

バンドとしての立ち位置とか、バンドとしての仕事とかそういうものにも決して熱量だけじゃない実直さと、冷静さがあるのがとても好きなのだ。

それでいて、でも世界をとてもロマンチックにロックに魅せてくれるので、聴いているといつもとても生きていることが嬉しくなる。
(ロックという言葉は便利だ。どうとでもとれる。)

嘘を言わない。
根拠のないことも言わない。
ただ気づかぬうちにこちらを救ってくれる。

そんなかっこよさをこの2組にはすごく感じていて、どちらもとてつもない信頼をおいている。

この日は、そんな私が信じてやまないこのロックバンドたちのことを、さらに信じて信じて抱きしめたくなるような夜だった。

私が学生の頃から1番大好きなバンドのことを、今1番面白いバンドのギターボーカルが「すごく大好きです」って言ってくれる感無量の嬉しさと誇らしさが伝わるだろうか。

このバンドを広めたのも見つけたのも、何もかも俺じゃないのにすごく誇らしかった。厚かましいね。


会場が目の前で、大好きなどちらの色にも染まり上がっていく姿に、2つのバンドがここまで築き上げてきたさすがのポテンシャルと実力を感じて嬉しくて嬉しくてボロボロ泣いた。

始まりも終わりも、お互いのファンがお互いを端から端まで称え合う空間がひどく美しかったな。

この日のことはたぶんおばあちゃんになっても忘れない。

この日聴いた音もきっと忘れない。

それでもいつか忘れる日が来るのかもしれないけど、絶対に忘れてやるもんかという泥臭い意地だけは死ぬまで持っていようと思う。

とても嬉しくて実に誇らしい日であった。

7年前はこの2組がツーマンライブをしていたことを知りもせずに、のんきに鼻をほじっていたけれど、7年後のこの日この夜にこの最強の2組のツーマンを、こうして再び見られたことに最大限の感謝を述べたい。

ありがとう!大好きだ!

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