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青春映画からの卒業を感じた”ふりふら”

映画『思い、思われ、ふり、ふられ』をみてきました。

浜辺美波さんが好き、ただその理由だけでみに行ったものです。高校生が見てキュンキュンする系統の映画なんだろうなぁという思いを胸に見にいきました。

もういい年齢ですが、この手の映画が実は好きで、過去に一人で劇場に足を運んだことも何度もありました。それこそ”ストロボエッジ”も”アオハライド”も見ていました。

中高生の時に味わうことのできなかったキラキラしたアオハルを、スクリーンを通じて少しでも享受したかったのか、穴を埋めるように足を運んでいたのか。とにかく高校生の恋愛ものが好きでした。たぶん、あんまりいないタイプの大人です。

そんな思いで今回も劇場に足を運んだのですが、まあ、良い意味で期待を裏切られたというか、ただの高校生の胸キュン映画、なんかには留まらなかったですね。

いや、そういうシーンも盛り沢山なんですよ。予告編にもありますが、もうあの北村くんの指を手に当てるポーズとか、完全に狙っているとしか思えないし、文化祭の告白のシーンも含め、セリフ回しも”うおお!”って。歳柄もなく感じてしまいましたもん。

今作の大きな裏テーマにもなるのは、”家庭環境”でしょうか。浜辺さん、北村さん、そして赤楚さんも家庭環境にそれぞれ悩みを抱えています。そこに4人の恋愛模様も絡んでくる、といった感じです。そして四人がそれぞれを補完し合い、成長し、最終的にはみんなが結ばれる、そんなストーリーですね。

この映画のキャストを初めて見たとき、主演は”浜辺美波さん・北村匠海さんの二人なんだろうなぁ”と感じました。

ただ映画を見終えて改めて感じたのは、”福本莉子さん・赤楚衛二さんも含めて4人が主演なんだ”ということでした。

特に、福本莉子さん演じる市原由奈。はじめは内気で後ろ向きだった彼女が朱里に出会い、理央に出会い、大きく自分を変えることができた。そして後半では彼女が確実に、二人を後押しする存在として描かれています。まだ内気だったころの彼女の表情は本当に素敵です。

乃木坂ファンだから、という理由だけでドラマ”映像研には手を出すな!”を見ていましたが、劇場版も見に行くことが確定しました。福本莉子さんが出演されていますからね。

そしてわたしが一番感情移入していたのは、赤楚衛二さん演じる乾和臣彼はまっすぐに映画を愛する心優しき少年、のように描かれています。が、実際は自由奔放に生きる兄がきっかけでこじれかけていた家庭のバランスを保つため、自分を殺して夢を諦め、悩み苦しむ青年でした。

私も学生時代に手のかかる姉を見て育ったこともあり、自分は優秀でなくてはならないと真面目に生きていた時代があり、そんな自分を重ねていました。結果的には、自分のやりたいことをやらせてもらえていたので、そこは乾とは違うところですが。

そんな乾に少し自分を投影してしまったこともあり、もう少し彼の成長物語を深く描いて欲しい、物足りない、と感じてしまったことがひとつ挙げられる難点だったでしょうか。でも青春映画にそれを求めるのはお門違いなことくらいはわかっていました。

そのとき、私はもう高校生の青春映画は卒業する時が来たんだと感じました。高校生だったのはもう10年前。ようやくの卒業ですね。

まあそれでも、福本莉子さんが主演とかをしていたら、見に行ってしまうかもしれません。



最後までお読みいただきありがとうございました。 あなたのちょっとした隙間時間を埋めるための一助となれていましたら幸いです。それではまたどこかで。