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群発頭痛には速攻で在宅酸素療法をお勧めする件

結論から書くと、群発頭痛の方にはすぐにでも在宅酸素療法を試してみてもらいたいのです。在宅酸素療法と書くと大層なものをイメージしてしまいますが(私もそうでした)、今回実際手続きを進めてみたところ拍子抜けするくらい簡単で、この病気持ちの方には大したハードルと思わずにぜひ試してみてもらいたいのです。

今回トライしてみるにあたり情報をウェブやSNSで探してみたのですが、まだ具体的にイメージをつかめる情報が少なかったので、利用者目線でまとめてみました。

群発頭痛とは

群発頭痛は…発作中に同側の眼充血や流涙,鼻漏,発汗過多,眼瞼下垂,縮瞳などの自律神経症候を伴う一側の眼窩部のきわめて重度の頭痛発作がみられ,一旦出現すると1~数ヵ月間(群発期),激しい頭痛を1回/2日から8回/日の頻度で反復する.
…特に若年~壮年期の男性に多く,群発期には就業が困難であり,一部の患者では入院加療をせざるを得なくなるなど社会的経済損失が大きい.
『群発頭痛急性機治療に酸素は有効か』

群発頭痛の特徴

この頭痛の特徴ですが、一度発症すると、その強烈な痛みに毎晩打ちひしがれて、その結果生活が一変してしまって、生きるのも嫌になる、そんな感じ。世界三大痛の一つと言われることもあるそうです。ちなみに、他の二つは心筋梗塞・尿路結石と言われているようですが、同じく痛みの代表例である出産と尿路結石を経験した人でも群発頭痛のほうが「より強烈な痛み」だと言う例も。私の場合、発生すると右目の裏をキリで突かれているような強烈な痛みが30分から数時間続きます。

こいつは一定の周期で発生して、一定期間中ほぼ確実に決まったタイミングで、強烈な痛みを与えてくださりやがるのですが、一方で発症していない時は痛みの欠片もないという、なんとも憎らしい奴でもあるのです。私の場合、特に冬の時期が多いのですが、2年に1度発症して、毎晩夜寝ついた後の2時頃に痛みで起こされて2~3時間痛みに耐えるパターンで、ここ10年程続いています。

「世界3大激痛 地獄の苦しみ」の記事がイメージに近い印象。

先に、在宅酸素療法の効果から書きます

先に在宅酸素療法の効果を結論として書きます。効果は十分以上にありますので、同じ症状の方はすぐに試してみることをお勧めしたいです。

具体的に私の事例で言うと、夜中痛みが始まった直後でも痛みがひどくなった後でも、月に2万円でレンタルして家に設置してもらった小型冷蔵庫程度の大きさの機械のそばに行き、そのボタンをポチッと押してすぐに排出される高濃度の酸素を5分程度吸い込むことにより、あの痛みが緩和されてほぼほぼなくなるのです。さらにお医者様からは、これまで処方されてきた薬よりもリスクは少ないとのことです。それを聞いた時には「なんでなんでこれまで教えてくれなかったの…泣」と感じましたが、その理由は後述します。

そもそも在宅酸素療法とは

在宅酸素療法は、家庭では空気清浄機のような機械を使います。外出する場合は酸素ボンベを使うそうなのですが、家庭で使う酸素濃縮装置は室内の空気から高濃度の酸素を作り出すそうです。

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サイズは395(幅)×396(奥行)×719(高さ)、重さは39㎏で、メーカーの方が配達、設置までやってくれました。仮に配達だけされたとしても、場所さえ用意できれば転がすだけなので、設置は自分でもできるとか思います。

従来は慢性肺疾患の患者などに提供されていたそうなのですが、今は群発頭痛の患者にも提供されています。

『私たちの暮らしと医療機器 過程で酸素を吸入 在宅酸素療法(HOT)』

在宅酸素療法の手間暇

私の場合、以下の手順で利用できるようになりました。

①病院で診療の中で先生に利用希望し、その場で申込書に記入
②メーカーから配達日時の確認の電話
③配達された機械を自宅で受け取り

平日の午前中に診療を受けて、その日の午後に配達してもらいました。

実際の利用は運転ボタンを押して…

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これを口に被せて吸引するだけ。

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在宅酸素療法の費用

ざっくりですが、月額2万円(その月内に一度でも利用したら月額費用発生)になります。実は、2018年度の診療報酬改訂で群発頭痛患者における在宅酸素療法の保険適用が認められるようになり、ようやく私のような群発頭痛の患者も利用できるようになった、という話です。保険適用のために、利用期間中は毎月一度は病院で診療をする必要があります。また、解約の際は病院に電話で知らせる必要があります。

医療機関(追記)

私が通っていた医療機関は、新宿の『喜多村脳神経クリニック』で、頭痛の権威の喜多村先生に見てもらっていました。(実際自分の頭痛が群発頭痛ということがわかったのもこちらに通ってから。)残念なことに病気療養のため閉院したとのことです(今はホームページも閉鎖)。こちらでは帝人社製の機器を紹介してくれていました。

中央線三鷹駅にある『みたか中村脳神経外科クリニック』でも在宅酸素療法の相談が可能です。きちんとした知識を背景に丁寧に診断してくれる印象です。
ちなみにどの頭痛外来でも在宅酸素療法の相談が可能なのかを質問したところ、頭痛学会?などに関係する専門医でなくては難しいのではないか、とのことでした。機器に関しては、株式会社千代田さんという医療機器の企業の紹介となり、企業に伺ったところ費用は同じくらいとのことでした。私はたまたま群発頭痛が収まったので未利用です。
2023年3月再発しましたのでこれを機にレンタルをしました。保険適用3割負担で約25,000円/月になります。帝人社製の機会との違いは精製水を入れる機構があるところで、これは吸い込む酸素に水分を含ませて柔らかくされるためのものということです。
なお、ホームページでの紹介は、口頭で先生に紹介のご了承を頂いています。

Dr.酸素7L CB-7L

今後

私もまだ利用を始めて間がないのですが、自分の症状と苦労に対して、手間と費用感を考えたとしても、継続利用をすると思います

レンタルではなく買取ができないかという点について、安心を求めて何か可能性を探りたいとは思ってしまいます。メーカーの説明書には、酸素吸入療法を処方された患者以外には適用しないように注意書きがされていますし、市販はされていないようです。群発頭痛の対応には、酸素濃度95〜100%の酸素を1分間に7リットル、15分間吸入するガイドラインがあるとのこと。しかしAmazon他通販サイトには90%の酸素を1分間に1リットル提供できるという同じような酸素濃縮装置が販売されています。これが効いたら、一患者としてとっても魅力を感じるのです。が、今のところそれが効くというエビデンスとして研究結果や体験談に出会っていませんので、お勧めするものではありません。




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