ラブライブ!サンシャイン!!前日譚 〜渡辺曜(中3)の進路指導〜

媒体によって設定が微妙に変化するラブライブ!シリーズですが、渡辺曜さんについては共通して水泳の天才として描かれています。
そして劇場版では「高海千歌さんと一緒にいたい」がために浦の星女学院に進学したことがしれっと判明しました。

一人のオタクとしては「おほ〜」って感じ(さらに渡辺月さんの心情も相まって「お゛ほ〜」って感じ)なのですが、中学校の教員的にはすっっっごく大変だったろうと思料します。

浦の星進学を再考させるのが「進路指導」

中学校の教員目線で考えると、渡辺曜さんが浦の星女学院に通うメリットが全くありません。

まず、遠いです。
アニメではバスで通学している設定で、かつリアル沼津市の位置関係から考えても、渡辺家から浦の星女学院までは相当の距離があります。
時間と交通費を投じてでも通う価値があればいいのですが、次節以降で見ていくとおり、残念ながらそうとは言えません。

ついで将来性がありません。
浦の星女学院はどんどん生徒数が減りつつあり、アニメ版ではとうとう廃校になってしまいました。
作中では、浦の星女学院は地域の学校として描かれています。
逆に言えば、地域外(例えば沼津市街地から)生徒を呼び込めるほど特殊な魅力を備えているわけではないのです。

そして何より、彼女の水泳の才能を潰しかねません。
ナショナルチームという設定もあり、もはや中学校、沼津市レベルでは収まらず、静岡県の教育委員会からも認識されている存在でしょう。
学校としても、なんとしてでも渡辺曜さんに良好な練習環境を提供したいと考える(そういう厳命が下っている)ところでしょう。


「浦の星女学院に通う渡辺曜さん」という前日譚の産物

こういった事情から、渡辺曜さん(中学3年生)は、浦の星女学院への進学を学校から猛烈に反対されていると考えるのが自然です。
渡辺家の両親も巻き込まれていることでしょう。両親がどちらの立場に味方するのかはわかりません。
もしかしたら浦の星反対派だったのかもしれません。作中でも最後まで姿を見せませんでしたし……


渡辺曜さんは、高海千歌さんのために、学校(もしかしたら両親も)の反対を押し切り、浦の星進学を勝ち取ったのです。
このような戦いがあったことを、高海千歌さんは知らないでしょうし、渡辺曜さんとしても知らせたくないでしょう。絶対に曇ります。


つらつらと書いてきましたが、もちろんすべていちオタクの妄想です。
作中では一切描かれていないので、実際どうなのかはわかりません。
スクールアイドルの物語を描くためには全く以て余計な要素であり、省略して当然です。(劇場版で渡辺月さんが出てきたときには、このエピソードが公式で描かれるのかとビクついてしまいましたが、取り越し苦労でした。)

ただし、中学校教員目線という要素を導入すると、こういう一悶着があるのが自然だと思います。
渡辺曜さんが浦の星女学院に通っているというスタート地点が、そもそもひとつのドラマの帰結なのです。

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