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認知

消費者に、商品やサービスの存在を知ってもらうこと。
名前を知ってもらうこと。
いわゆる「認知」の獲得が、マーケティングの第一歩だ。

大手企業が認知を効率よく獲得しようと思ったら、
とりあずTVCM、という時代が長く続いてきた。
時代は変わり、デジタルの隆盛により、
TVCMに割かれる予算はどんどん減ってデジタルへとシフト、
というのが全体の流れ。

ところが、昨年のTVCM全般に関する振り返りということで、
某調査会社から情報共有をもらったところ、
TVCMへの回帰現象が起こっていることが
ハッキリとデータで表れていた。
TVCMに投資をしている金額順で上位の会社の話なので、
市場全体で見たらやはりデジタルシフトの傾向は
揺らいではいないと思われる。
しかし、日本を代表するような大企業が、デジタルシフトを
鮮明にしてTVCMをごっそり減らした後で、
揺り戻しが起きているようなのだ。

その際に聞いた話でもう一つ面白かったのは、
クリエイティブ要素に占める音楽の重要性である。
今や視聴者はダブルスクリーン
(TV画面+スマホ画面の同時視聴)は当たり前、
トリプルスクリーンもざら、という状況。
そして、あくまでもTV画面は「サブ」的な位置付けであり、
スマホを「メイン」にしているのが大半。
しかし、面白そうな場面が始まったり、気になる音が
聞こえてきたり、といった状況でTV画面へと向き直る
という視聴者行動が実際に起きている様子。
そのため、音楽で視聴者の注意をいかに惹きつけ、
TVの画面に向き直ってもらえるかが、
TVCM制作にあたって重要になっているということなのだ。

もう一つおまけに面白かったことがある。
日清食品のTVCMの圧倒的な効率の良さである。
「アオハルかよ」
で有名なカップヌードルのHungry Daysシリーズをはじめ、
「どん兵衛」「ラ王」「出前一丁」
どれもこれも出色の出来ばかり。
これらのCMが、とにかく他のあらゆる業界、会社、
カテゴリー、商品/サービス、何と比べても圧倒的に
「かけたコスト当たりの商品に対する好意度」が
高いのである。

これは、日清のCMが
・認知せざるを得ない、話題性の極めて高いCMを作っている
・単に流すだけでなく、拡散させる要素を満載にしている
ことに起因している。
本当によく考えられている、としか言いようがない。
日本の今のトップクリエイターたちが、惜しみなくその
叡智を注ぎ込んでいる仕掛けの数々に、もっと注意を
払い続けなければと改めて背筋が伸びた。


少し視点は変わるが、昨日参加した、私が通う定例の
勉強会においても、「認知」がキーワードであった。
TVCMを流せる大企業に比肩しうるレベルで、個人が
マスからの「認知」を獲得できる時代。
逆に、個人もどんどん発信をしていかなければ、
存在していないのも同じと評価されかねない時代。
今の社会は、「認知」を獲得しあう競争の、まさに
レッドオーシャンなのである。
そんな危機感を抱き、今こうしてnoteで発信している
内容をより一層充実させつつ、着実に継続していかねば
なるまい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。