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半沢直樹の仕事に対する姿勢

昔は「東芝日曜劇場」という名前
だった。
日曜日夜9時開始のTBSドラマは、
今も昔も名作揃い。
池井戸潤さんの『下町ロケット』も
同じ枠だったと思うが、すっかり
国民的作家となった池井戸さんの
代表作と言える、現在放映中の
『半沢直樹』シリーズも、名作と
呼ぶにふさわしいだろう。

「顔芸がすごすぎる」
「もはや歌舞伎」
「ほとんどコメディ」

そんな声も多く聞こえてくるが、
エンターテインメント(娯楽)作品と
して非常に素晴らしく、観る者を
楽しませてくれる。

一昨日の第4話で、堺雅人演じる
半沢直樹がセントラル証券の部下で
ある賀来賢人演じる森山に、
「遺言」を託すかのように伝えた
メッセージが心に響く。
第3話までも、半沢の仕事に対する
姿勢は一貫していて、時折素晴らしい
メッセージが垣間見れたが、
第4話ではその基本姿勢である
「顧客のため」
「世の中のため」
に仕事をすることを大前提に、
以下の3つのポイントを森山に
伝えたのだ。

①正しいことを、正しいと言えること
②組織の常識と世間の常識が一致していること
③ひたむきで誠実に働いた人がきちんと評価されること

注目すべき点はいくつかあるが、
マーケターとしては、まず彼の
「大前提」「基本姿勢」に共感を
覚える。
「マーケティング分かってるじゃん」
「ビジネスパーソンの鏡じゃん」
などと書くと、なんだか偉そうだが、
そんな感覚だったのである。
ドラッカーも言っている通り、
全ては「顧客」から始まるのだ。

3つのポイントは、日本人の美徳と
言っても良いのではないか、
そんなことも感じる。
何度か紹介している、伊那食品工業の
塚越寛名誉顧問が提唱する「年輪経営」
や、「四方よし」の経営にも通じる
ところがある、そんなことも感じた
次第だ。

当たり前のことは、パッと見ただけ、
パッと聞いただけだと、
「なーんだ、当たり前だよね」
で終わってしまいかねない。
しかし、その当たり前のことを実行
すること、実現することが、そう
簡単ではないこともまた、多くの人
が気付いているはずだ。

半沢直樹のように、自分の仕事に
対する姿勢を、いつでも淀みなく、
スラスラと人に説くことができる
位に自分の中で消化しているか。
「なーんだ、当たり前だよね」
などと言う人に限って、いざ自分
の仕事に対する姿勢を問われたとき
に、言葉に詰まってしまう。


自分に求める基準を高く持つ。
いつ何時、誰にその基準を問われた
としても、淀みなく答えられる。
そういうビジネスパーソンである
べきだと、半沢直樹は教えてくれた
のである。


最後に余談だが、ビジネス的な学び
があるのと同時に、娯楽作品としての
価値が高いことを上にも述べたが、
『水戸黄門』や『遠山の金さん』の
ような、昭和に流行った勧善懲悪系
時代劇の、平成・令和時代における
進化版という評価ができるかも、
そんな感想も持った。
やはり勧善懲悪物語は、みんな胸が
スカッとして気持ちがいいのだろう。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。