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人をマネジメントできると思うのは不遜なことなのか

オンラインで良質なセミナーの類が
毎日のようにあちらこちらで開かれ
ており、興味あるものに出続けて
いたら首が回らなくなりそうな今日
この頃。
昨日は、Yahoo!アカデミアの学長
であり、最近ベストセラー続出の
伊藤羊一さん、
同じくベストセラー作家で、慶應の
理工大学院特任教授、キャリア論の
大家として活躍中の小杉俊哉さん、
そして「経営者JP」というヘッド
ハンティング会社の社長である
井上和幸さん、
以上のお三方による
「ウィズコロナのリーダーシップ」
と題した討論会を拝聴した。

伊藤さんも小杉さんも、現在飛ぶ鳥を
落とす勢いのお二人だけあり、非常に
興味深い話がバンバン飛び出してきて
1時間半があっという間。

途中、リーダーとしての心構え的な
話の中で、1オン1でいかに部下が
主体的に動くように仕向けるかと
いうような話が出た。
チャットで質問可能だったため、
伊藤さんに、1オン1で最も重要な
ポイントは何か、どういうところに
気を遣って進めているか、という
質問をさせてもらったところ、
丁寧にお答えを頂いた。

氏が気を付けていること、それは、
「とにかく聞くこと」!
変なツッコミを入れず、ひたすら
相槌や感嘆の声で、相手の言って
いることを受け止める。
よくある話だし、私自身もそのよう
に心掛けているところではあるが、
前後の文脈や他の発言とも相まって
非常に納得感のある返答だった。

しかも、是非これを参考に!
ということで、親切にも記事の
リンクをシェアしてくれたのが
こちら。

CAMPFIREという、今や超有名な
クラウドファンディングサイトや、
BASEという、ネットショップを
簡単に設営できるサイトを経営する
家入一真さんのインタビュー記事で
ある。

彼のエピソードがまた面白い。
任せた部下に大金を持ち逃げされた
経験から、「期待」で相手をやる気に
させるマネジメントの限界を感じ、
マネジメントスタイルの変革を行った
様子がインタビューで引き出されて
いる。
その行き着いた先というのが、
たった5つのパターンの発言しか
使わず、テンションをひたすら上げる
というもの。
記事にもある通り、その5つというのは

「おおおおお!」
「やばい」
「すごい」
「いいね」
「やろう」

これだけである。
いきなりこれだけ見ると、拍子抜け
するかもしれない。
ただただ、自分のテンションが
上がっていることを伝え、
相手のテンションも上がってくる
ことを目指す。
それで十分だというのだ。

「期待」で相手を動かそうとすると、
結局その「期待」を重く感じたり、
逆に「期待」が感じられなくなった
ときに「期待ロス」のような状況を
引き起こしたり、なかなかハンドル
するのが難しい。

その点、「期待」でマネジメントする
ことを放棄して、ただただ認知する、
存在を認めるだけで処するという
彼のやり方というのは、本人の深い
ところにある欲求、やる気が自然と
湧き上がってくるまで待ってあげて、
本人自身が動くように仕向けるという
ことであり、そのようにあくまで
本人が自分の心に従って動くことが
最も合理的な結果を生み出す可能性
が高いということは非常に納得感の
ある考え方である。
コーチングの考え方とほぼ共通だと
言ってもよいだろう。

結局、たとえ「期待」であっても、
他人が他人を動かそうという発想
自体が、そもそも不遜なことなの
かもしれない。
とはいえ、会社にせよ個人にせよ
立てた目標を達成するためには、
何とかしてそれを達成しようと
もがく、つまりはマネジメントを
することが求められる。
他人をマネージすることは潔く
あきらめ、もしやってくれたら
ラッキー!という認識でいる。
その上で、自分自身をしっかりと
マネージしていく、という考えが
最も合理的なのだろうか。

簡単に答えが出る問題ではなく、
そもそも唯一の正解があるかも
怪しい。
一旦今日はこれで筆をおき、
また改めて考える機会を持つ
ことにしたい。

おまけ:5つのパターンを英語に
訳すと、こんな感じだと思われる。
これら5つの単語さえ覚えれば、
英語が公用語の会社でも、結果を
ちゃんと出せる!かも?!

「おおおおお!」= Wow!
「やばい」= Cool!
「すごい」= Great!
「いいね」= Good!
「やろう」= Let's!

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。