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時間によるセグメンテーション

「朝専用」をうたって、発売当時大ヒットした
『ワンダ モーニングショット』という
缶コーヒーがあった。
いや、失礼、まだ現役である。
缶コーヒーという、かなり成熟した市場において、
時間軸をセグメンテーションの切り口にした点が
とてもユニークだったためだろう、
かなり話題を呼んだ。
タイガーウッズを使ったTVCMなどの販促も
かなり注目されていた記憶がある。

マーケティングのフレームワークで、
「STP」と言われるものがある。
‐ Segmentation
‐ Targeting
‐ Positioning

の3つをひとまとめにしているわけだが、
その最初、いの一番が
「S」=セグメンテーションだ。

このセグメンテーション、簡単に言うと、
市場の環境を分析して、お客様のニーズ毎に
ある程度細かく分類しておくことを意味する。

そうした後で、その分類の中のどの市場に狙いを
定める(Targeting)かを決めたり、
お客様の頭の中で特定の位置付け(Positioning)を
得たり、といった後工程へと進んでいく。

『ワンダ モーニングショット』と同じく、
朝用を売りにした商品でロングセラーとなっている
化粧品がある。
『サボリーノ 目ざまシート』がそれだ。

シートマスクと言えば、夜に付けるもの。
そんな先入観を打ち破って、朝専用をうたった。
昨年半ばの時点で、累計販売枚数が4億枚!
というから大ヒットといっていいだろう。

そもそものブランド名が秀逸だ。
『サボリーノ』である。
お肌のことはケアしたい、でも面倒はイヤ。
そんな気分に寄り添ってくれそうなブランド名。

思わず、バカリズムの伝説のネタ
『トツギーノ』を思い出し、頭の中で
バカリズムの顔がしばらく常駐してしまって
少々困った。

話を元に戻そう。
朝の忙しい時間にシートマスクを付ける
余裕なんてあるのだろうか?
という疑問が浮かんだのだが、
朝だからこそ、シートマスクを付けたまま
色々な支度をこなし、それこそ丁寧な
スキンケアを「サボリ」ながら化粧の
下準備が出来てしまう、そういう
コンセプトなのである。

実に見事な発想の転換。

こんなユニークなコンセプト、どうやって
ひねり出したのだろうか?

発売しているのは、プラザスタイル傘下の
BCLカンパニーというところ。
「社長直下のラボを作る」というところから
始まったプロジェクトで商品化が進められた
ようだ。
従来の化粧品会社の商品開発の延長では、
このような発想はなかなか出て来ないのでは
ないかと思う。

遊びのあるブランド名に合わせて、
パッケージをはじめとするブランドの世界観
遊び心満載だ。

たまにはシートマスクを使ってみようかな。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。