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地球温暖化が止まらない! ~気候変動は調整可能か?~

ドイツのエアフトシュタットの大洪水、カナダのリットンの山火事、中国鄭州(ていしゅう)市の道路冠水など、世界中で異常気象による災害が相次いでいます。地球の気温は産業革命以前の時代より1℃以上高くなり、その影響で、激しい気象が世界各地を襲うようになりました。

このままいくとどうなってしまうのでしょう。

「もしこれからの10年間のうちに、気温が産業革命以前の水準を上回って3℃上昇すれば(だれもが排出削減の誓いを固く守ったとしてもいずれそうなると考えられているが)、熱帯地方の広い範囲で、気温が上がりすぎて屋外活動ができなくなるリスクが発生する。サンゴ礁とそこで生きている生物は死に絶え、アマゾンの熱帯雨林は原形をとどめないほど小さくなってしまうだろう。深刻な凶作がいたるところで発生する。南極大陸とグリーンランドの氷床の融解は後戻りできない限界点を超え、海面の上昇は、今日のようにミリメートル単位ではなく、メートル単位で計測しなければならない事態に陥る。」
"If temperatures rise by 3°C above pre-industrial levels in the coming decades—as they might even if everyone manages to honour today’s firm pledges—large parts of the tropics risk becoming too hot for outdoor work. Coral reefs and the livelihoods that depend on them will vanish and the Amazon rainforest will become a ghost of itself. Severe harvest failures will be commonplace. Ice sheets in Antarctica and Greenland will shrink past the point of no return, promising sea rises measured not in millimetres, as today’s are, but in metres."(英エコノミスト2021年7月17日号 "No safe place"より。以下引用同じ)

今から6年前の2015年には、世界各国がパリ協定に合意し、
 ・温室効果ガスの純排出(植物などが吸収してくれるガスと相殺した量)をゼロにすることと、
 ・気温上昇が2℃よりじゅうぶん低くなるように抑える
ことを決めました。

が、排出ゼロも気温上昇の抑制も、ほとんど進んでいないのが実情です。

この記事には、気候変動の適応策として「ソーラー・ジオエンジニアリング」という新しい技術のことが書かれています。

「そこで "ソーラー・ジオエンジニアリング(太陽放射修正)"という、もっとも劇的で驚くべき気候変動適応策の研究も着々と進められている。これは大気中の雲や粒子の層を鏡のような性質に変えて、太陽光の一部を反射させようというものだ。(中略)だが過去15年以上にわたる研究によれば、ソーラー・ジオエンジニアリングは、温室効果ガスによる被害の一部を大幅に減らせることがわかっている。」
"Hence it is also prudent to study the most spectacular, and scary, form of adaptation: solar geoengineering. This seeks to make clouds or particle layers in the atmosphere a bit more mirror-like, reflecting away some sunlight.(中略) But research over the past 15 years has suggested that solar geoengineering might significantly reduce some of the harms from greenhouse warming."

しかしこの技術はまだ研究段階で、実用化はされていません。

「将来的に排出削減できればいいというまさにこのような考え方のために、今すぐにでも排出削減に取り組もうという意欲が薄れるリスクがある、ということについて、説得力のある反論もまだ出ていない。」
"Nor is there yet a compelling rejoinder to the risk that the very idea of such things tomorrow reduces the incentive to be ambitious in cutting emissions today."

地球温暖化はまったなしです。記事にはしきりに「adaptation(適応)」という言葉が使われていて、これからは気候変動に適応して生きていくみたいな論調になっているのですが、そうではなくてchangeやrevolutionが必要なのではないかと個人的には思いました。

最後に、若き環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの有名な国連演説の動画を貼っておきます。これは本当に名演説だと思います。

大量生産・大量消費型の経済の仕組みを変革しないと、この問題は解決できないと思います。グレタさんのように、当面は政治に対して変革を強く訴えていくしかないのかなと思います。わたしたちもなるべくエコな生活を心がけたり、選挙に行くなど、自分にできることを地道にやっていきましょう。

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