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ニュージーランド パイロットとしてのキャリアアップ 5

Panel Interview.

これは、面接官二人以上に対して候補者一人で行われるのが通常だ。時間的には1時間くらいだが、それ以上で行われることがある。私の最初の面接はほぼ3時間だった記憶がある。また基本的には提出したCV(履歴書)から質問がなされる。また、面接官のほうもある程度周りのパイロットからの評判を聞いている可能性があるので、絶対に誇張したり、他人の悪口などは言わない事が重要である。また、パイロットという職務上、自分のミスを正直に話すことが重要になる。経験が長ければ長いほどミスはあるものだし、それをその後どうやって扱ったのかが焦点となり、合否が決まることも少なくない。面接官、特にマネージャークラスのパイロットはそこに興味があるので正直に話すべきだ。NZの航空会社、AIRNZも含めて、企業文化として強いReporting culture がある。ミスや危険と感じた事柄は、パイロットのみならず働くひと全てが、すぐに報告するシステムが整っている。またCAA(ニュージーランド航空局)もそういったリポートをバックアップする体制となっている。またリポートを出したからと言ってパニッシュメントを与えたり、その報告者に不利益になるような事は禁止されている。このレポートはすぐに提出することが義務付けられているので、フライト中に起こったことは、基本的にその後のフライトを少し遅らせてでも、フライト後に電話やE-mail, company form を使ってcompanyに提出することになっている。この文化は慣れないとなかなか難しい文化だと想像できるが 、もしミスがあってリポートせずにすると、必ずpunishmentが来ます。ひどい場合はクビになるケースもある。ちょっと脱線してしまったが、Panel interviewでは正直に答える事が重要である。

特に海外経験も無く、これから英語面接を将来的に考えて私の記事を読んでくださる方がほとんどだと思いますが、私も20年前は全く同じでした。海外でパイロットになろうと考え、単身、スーツケース一つで、ニュージーランドに乗り込んだ日の事は一生忘れないです。ニュージーランドに行くために初めて飛行機にのり、ニュージーランド自体が、そもそも私にとって初めての海外でした。英語の面接なんてやったこともないし、ましてや、英語なんて話せない。TOEICでも600点くらいしかなかった。それでも沢山のNZのフライトスクール フライトクラブに電話で面接のアポイントメントを取り付け、つたない英語で必死に食い下がったのを覚えています。正直に言うと、まず電話の段階で断られてしまうことがほとんどで、22校に電話したのち、面接までこぎつけたのは6校くらいでした。その当時はまだインターネットの普及が始まったばかりで メールでアポイントすることは考えつかなかった。また、電話で英会話というのは今でも非常に難しい。

ただし、ニュージーランドに渡航する前に、英語面接が必要なのはわかっていたので、本屋で「英語面接の方法」とか、「英語履歴書の書き方」とか購入して、日本で勉強していました。自分なりにある程度 聞かれる内容を想定して、自分の答えを紙に書き、丸暗記してNZに行きました。確かにこれはとてもいい方法でした!しかし、自己紹介の部分のみですが、、、。あとは想定とは違う質問を受けて散々だったのを覚えています。ただ、実際に面接に行って話しているうちに、慣れてきたというか、最後の数社の時には、聞かれる内容がわかってきて、私の想定問題が充実し、7割方、たどたどしい英語で太刀打ちできるようになっていました。そうです、当たり前のことですが、普通の英語面接対策をしていては的外れだったのです。やっぱり、パイロットのための面接内容がちゃんとあって、それを準備していかないと、全く 太刀打ちできないのです。折角、資格や腕、経験を持っていても、ここをクリアにしない限り、あなたが日の目を見ることは難しい。やっぱりパイロットの職は、どんなに小型機でもその会社が信用できる人しか飛行機を任せません。よそから来た、わけのわからないコミュニケーションができないパイロットを雇うとは想像できません。最低でも質問された内容を理解し、つたない英語でも良いのでコミュニケーションをしっかりとることが大事だと思います。それは入社した後でも全く同じです。

私のブログでは今後、私の沢山の失敗経験をもとに、海外航空会社でパイロットの面接で聞かれる内容を公開していきたいと考えています。今現在 コロナの影響で航空需要は減少し、倒産する会社が増え、パイロットを目指している方にとっては、全く先行きの見えない暗闇に突入したと思います。ただ、私は、今が大きなチャンスだと思うのです。この暗闇のトンネルの先に出たときに、暗闇の中でどれだけ必死に走ってきたかでトンネルの先に待っている未来が違ってくると思います。ニュージーランドも今現在 ロックダウン中で、国際線はほぼ全便カット、国内線もほとんど運航していません。必然的に私も自宅待機状態、Lay off, Redundancyとか嫌な文字がテレビにながれビクビクする毎日、それを打開するには、今、私自身に競争力をつけておくことだと思ったのです。パイロットとしての腕ではなく、今できること、Self Presentation 能力を磨いていこうと思ったのです。今まで、ため込んだInterview Noteをもう一度振り返ることを始めました。その情報を海外でパイロットを目指している方に向け、少しづつ公開していきます。

 

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