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2024年の10曲

TMR制作担当の遠藤卓也です。
毎年、一年間に聴いたたくさんの楽曲から、特に印象深い10曲を選んでいます。

2024年の10曲

  • Michael Kiwanuka - The Rest Of Me

  • High Llamas  - Hungriest Man (feat. Bonnie "Prince" Billy)

  • Leyla McCalla - Scaled to Survive

  • VIDEOTAPEMUSIC - 野母崎 (feat. 角銅真実)

  • MGMT - Mother Nature

  • The Hard Quartet - Hey

  • Alborg - Blend

  • Paul Weller - Soul Wandering

  • Nils Berg Cinemascope - Satguru Mere Naam Dheyo

  • 折坂悠太 - ハチス


今年も良い音楽にたくさん出会えた。特に好きだった10曲(10枚)を簡単なコメントと共にご紹介したい。

Michael Kiwanuka - The Rest Of Me
2012年のデビューアルバム「Home Again」のアコースティックでソウルフルな雰囲気が気に入って、以降も3〜4年に1枚は新作を届けてくれている Michael Kiwanuka。
いつかの「ウィークエンドサンシャイン」でこの曲がかかって、玄関を掃きながら「ああ、今回もいいなあ」と聴き入った。
アーバンとカントリーの中間の空気感というか、二つの場所をつなぐハイウェイを車で移動しているような。心地の良い楽曲。


High Llamas  - Hungriest Man (feat. Bonnie "Prince" Billy)
とっても嬉しいHigh Llamasの新作「Hey Panda」から。昨今のR&BやHipHopに大きな影響を受けたというサウンドプロダクションがどこまでも心地よい。こういうアプローチも似合っているなあと唸ってしまった。
そしてゲストボーカル Bonnie "Prince" Billyの歌唱も、今日的なR&Bサウンドにこんなにも映えるとは!盟友ならではの信頼感で楽しく作られたと想像できる。ニヤニヤしながら聴いちゃう。
ちなみに彼らは旧作のアナログ再発もあって、ついつい2作品も買ってしまった、、、。


Leyla McCalla - Scaled to Survive
アルバムを通してよく聴いたので、どの曲にするか最後まで迷ったけどMVの色調が素敵なこの曲に落ち着いた。
こういうリラックスした平和な雰囲気が必要だよなあと思う。良い音楽をありがとう、という気持ち。


VIDEOTAPEMUSIC - 野母崎 feat.角銅真実
各地でフィールドワークを行いながらの楽曲制作を行なっているVIDEOTAPEMUSICが、過去に滞在制作で訪れた土地を「再訪」し、再レコーディングを行うというコンセプトの作品より。長崎出身の角銅真実さんの朗読をフィーチャリングした「野母崎」は、お祭りの声っぽい素材も入ってて、夏の感じが詰め込まれていて好きだった。
そして、カセットテープ+160Pの書籍のセットという「カセットブック」という形態でのリリースに、カクバリズムのインディーレーベルとしての気概を感じた。そりゃもう買いますよ。

書籍には滞在中の「日記」が収められており、各地を巡って感じること・食べたものなどの記録になんだかとても親近感を覚えたなあ。(目的は違えど、自分も各地を巡っているので)
野母崎は長崎のはじっこのほうかあ。いつか行くこともあるのかな。


MGMT - Mother Nature
2010年の2ndアルバム「Congratulations」が気に入って、フジロックでライブを見たことは覚えているけれど、以降の作品はあまりちゃんと聴けていなかったMGMT。この先行シングルをSpotifyのRelease Radarで聞いて感じた良い予感は的中。アルバムはかなりヘヴィ・ローテーションだった。
MVのアニメーションは、ラストがちょっと怖くて不思議な後味。
同じ時代(2010年前後)に出てきた(と認識している)Vampire Weekend の新作もセットでよく聴いた!


The Hard Quartet - Hey
90’sオルタナティヴロックを栄養に育った身としては、まさにスーパーバンドな、The Hard Quartet。
「トレンドを気にせず、リーダーを決めず、プロジェクトではなくバンドとしてやる」そんな感じでやっているらしいけど、こういうのが聴きたかったんだよ、と40代おじさんを安心させてくれるサウンド。来日望む。


Alborg - Blend
90‘sオルタナティヴロックを栄養に育った身としては、今この音を瑞々しく鳴らしてくれる期待の星なAlborg(オールボー)。
2023年はシングル「Memory」を選んで、2024年は待望の1stアルバムからこの曲を。Alborgの7inchもLPも出してくれるカクバリズムさん、いつも本当にありがとうございますという気持ち。
まだライブを見た事がないので、来年こそ行きたい。


Paul Weller - Soul Wandering
90's UKロックを栄養に育った身としては、ウェラー兄さんが66歳でこんなにもかっこいいことが嬉しい。作曲はボビー・ギレスピー(Primal Screamの新作もよかった!)。こういうSoul風味のUKロックが好きなんだ。
Ocean Colour Scene と一緒に来日して彼らをバックバンドにやってほしい。前座はoasisでいいよ。

↑アンコールの時にはもうこんな感じでよろしくっす笑(みんな若っ!)


Nils Berg Cinemascope - Satguru Mere Naam Dheyo
2023年の10曲」にも入っていた Nils Berg Cinemascopeの2024年作品より。お寺の音楽会 誰そ彼に二度も出演してくれているスウェーデン出身のジャズトリオ。
こんなにもエクスペリメンタルなのに人懐っこいサウンドを他に知らない。また誰そ彼にきてくれないかなあ。もしも叶うならば、全力で準備します!


折坂悠太 - ハチス
2024年に一番口ずさんでいた歌かもしれない。渋谷で見たライブも、この曲が特に印象的だった。それでマーヴィン・ゲイのことを思い出して、久々に聴いたりもした。ゲイは当時、ベトナム戦争から帰還した弟から戦場の様子を聞き、反戦曲として「What's Going On」をつくった。それと似た思いがきっと「ハチス」にも滲み出ているんだ。


ライブはWilco来日、他それぞれの周年ライブ(Cornelius小沢健二「LIFE」電気グルーヴ)をエンジョイした。青春の音楽を懐古的に聴けるのはすごく楽しいけれど、その中でもちゃんと今の時代の空気感にあるなあと感じたCornelius折坂悠太、年末の坂本慎太郎バンドがベスト3かもしれない。

映画館にはあまり行けなかったような気がする。「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」が断トツでよかった。音楽も素晴らしく、映画館で見られて本当によかった。あとはA24が「ストップ・メイキング・センス 4Kレストア」をやってくれたことに感謝。
そして「オッペンハイマー」、「虎に翼」のおかげで、原爆に関する知識を深める機会を得られたこと。「関心領域」の現代につながるラスト、A24「シビル・ウォー」は決してSFとは言えない世界観。全て、機会だと感じている。

2025年も音楽、映画、本、喫茶店や酒場でのおしゃべりなどなど、多様な機会に出会い、感じ続けていたいと思う。

来年もきっと みんな元気で
we'll meet again on sunny day

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