pilgryNOTE月報24.09|We like the music, we like the disco sound, hey
TMR/音の巡礼のこと
2024年9月、急に涼しくなったせいか体調を崩してしまって、後半は低空飛行の1ヶ月。それでもあっという間に過ぎてった。なんとなく過ごしていたら、自分の録音の機会はなし、、、。
でも、9月頭に友人の Saara氏がホールを貸し切ってピアノを録るというので、現場にお邪魔してみた。
Saaraさんとは2009年に「お寺の音楽会 誰そ彼」に出演いただいたことがきっかけで知り合い、以降もスウェーデンのWinkler(ウィンクレア)や、Nils Berg Cinemascope といった素晴らしい音楽家たちを紹介してくれて、さらには家が同じ沿線(西武池袋線)ということで飲み仲間となり、かれこれ15年のお付き合い。(もうそんなになるのか、、、。)
Saaraさんは音楽家であり、お仕事はITエンジニア/デザイナーとして会社もされていて、「pilgy.net」のwebサイトは何を隠そう彼がデザインからコーディングまで全てお一人で手がけてくれたもの。なんとも多彩な御仁である。
以前、飲み屋で「そろそろピアノソロを録りたいと思って」なんて計画を話してくれて、録音場所が所沢市民文化センターのホールとのこと。うちからも近いし行ってみよう!と、お邪魔にならなさそうな夜の時間帯を狙って突撃。急に涼しくなって、秋らしい虫の鳴き声が聞こえ始めた夜だった。
現場に着いてみると、300席はあろうかという「小ホール」を貸し切って、ほんとに一人っきりで録音していた。マイクなどの録音機材も自分で持ち込み、セッティングして、自作のピアノ曲を録音して、マスタリング行程以外は全て自分で行うつもりだそう。つくづく器用な御仁である。そして、忙しかろうにようやるわ!
レコーディングもほぼ終わった頃だったので、いくつか曲を弾いてくれて、オーディエンスは自分一人というなんとも贅沢な時間。「お客さん入れたらよかったのに」と思ったけど、そしたらまただいぶ条件が変わっちゃうのか(ライブはレコ発のタイミングでぜひやってほしい)
美しいピアノソロを弾く Saara さんだけど、元々はヒップホップ畑の人であるという点も見過ごせない(笑)飲むとよく J Dilla について熱く語ったりしている。僕の好きなヒップホップとも重なる部分があるので、わかる。
それぞれのサウンドジャーニーをなんとなく聞いているから、彼のピアノを聞いていてもまた、感じる要素・わかることが色々とあるんだろうな。
録音を終えて片付けて、その夜も流れて酒場へ"味の巡礼"。清瀬でたまにいくという焼き鳥屋さんを教えてもらって、すごくよき店だった。
おさ田(清瀬)
音のこと
9/20 電気グルーヴ35周年ツアー「3594(サンゴクシ)」@Zepp羽田
25周年の「塗糞祭(トフンサイ)」からはや10年、、、30周年は瀧タイホでながれちゃったから、35周年はちゃんと祝うぞ!という気持ちでZepp羽田へ。
でっかい音でふざけ続けて35年。相変わらず過ぎて本当に尊敬する。
*
個人的に一番盛り上がったのは、電気グルーヴ最初のヒット曲「N.O.」から「Flash back disco」への流れ。
「N.O.」リリース当時のことを思い出してみると、1994年にシングルが「カウントダウンTV」や「ポップジャム」とかで話題になって、自分はそういうTV番組で知って既に1993年に出ていた収録アルバム「VITAMIN」を買ったという記憶。
その時は中学生だから、ただそのキャッチーなサウンドに単純に惹かれながら、「ないし」(という否定)が繰り返される歌詞の雰囲気をなんだかかっこいいと感じた。
その後、高校生くらいになって、元々はインディーズ盤の「662 BPM BY DG」(1990年)に「無能の人(LESS THAN ZERO)」というタイトルで収録されていた古い曲だったのだと知る。
メジャーデビューして4作目の「VITAMIN」に「無能の人」をリメイク再収録するという話が出た頃、本人たちは既にモードも変わっていたが、SONYサイドの意見で「売れそうな曲」として、不本意ながらもボーナストラック的な扱いで入れたのだ、とか。
「N.O.」とは、敬愛するUKのニュー・オーダーの略称を「無」を意味する「NO」とかけて「無能の人」から改称したが、後に後悔しているらしい、とか。
インディーズ盤が出た時は本当に卓球の部屋にはカーテンがなかったらしい(ブルース・リーのポスターを貼って代用)、とか。
そして印象的な「We like the music, we like the disco sound, hey」というフレーズのリフレインが、Pop will eat itself の楽曲からのサンプリングだということを知ったのはもう少し大人になってから。
そういうエピソードを一つ知るごとに、楽曲への愛着は高まる。
*
「N.O.」は、一時期はあまりライブで演奏されなかったという気がするけど、多分復活後のフジロックくらいから定番曲として良いタイミングでやってくれるような感じになった。
今回もライブの中盤〜後半への盛り上がりをつくるあたりで「N.O.」が鳴った。
嬉しくなってとびあがりながら、高校の頃に友人の持っていたインディーズ盤のCDをMDにダビングさせてもらって通学路でよく聴いたことを思い出していた。学校へ行くのがしんどい時期もあったけど、聴きながら通ってなあ。
「We like the music, we like the disco sound, hey」のところを会場みんなで歌って、その気持ちが1993年からずっと変わっていないことを確認し、からの「Flash back disco」!(これは大学時代を思い出す…)
ほんと、これ以上ない disco sound をいつもデカい音で届け続けてくれてありがとうという気持ちに(涙)
*
そんなセンチな気分は一瞬のことで、、、瀧は「地面師たち」で得た持ちネタ「もうええでしょう」でフロアを湧かしてくれるし笑、ラストは電気の「rez」ともいえそうなアレンジの「かっこいいジャンパー」、そしてみんな大好き「電気ビリビリ」にシビれた!最高!!
9/7 ジェントルフォレストジャズバンド&二階堂和美@三島市民文化会館
2018年、武蔵小杉にある高願寺で毎年やっている「十三夜音楽会」に、二階堂和美さんとジェントルフォレストジャズセクステットの皆さんにご出演いただいた。それ以降も、何度か様々な編成での二階堂さんの歌は聞いてきたが「いつかジェントルフォレストのフル編成のメンバーでの生演奏を聴きたい」と思っていた。17人の楽器と3人のボーカル+二階堂さんという大所帯故か、なかなかライブの機会がなかったが、この度は三島と御前崎の静岡県2公演があるということで、お隣伊豆の国市の真宗大谷派 住職も誘って三島の日に参加した。
「市民文化会館」くらいの箱の雰囲気はとても好きだ。決して古い建物ではないと思うが、公営ならではのなんとも言えない味わいがある。その舞台に金管を中心としたビッグバンドが勢揃いして、古き良きジャズへのオマージュたっぷりの楽曲を演奏する。素敵じゃないか。
第一部はジェントルフォレストバンドのオリジナル曲を中心に、ジャズスタンダードや「上を向いて歩こう」など。これだけの人数のジャズバンドの演奏を聴けることは少ないので、すごく贅沢に感じた。いい!
休憩を挟んで第二部で二階堂さんが登場。なんと「東京ブギウギ」からスタート!NHKドラマ「ブギウギ」を見てたせいか、主人公のすずを通じて笠置シヅ子の面影がステージに降りてきて、なんだかとてもグッときてしまった。さすがニカさん!
「Nica's Band」という楽曲も、「ブギウギ」を経た今、「あの雰囲気へのオマージュだったのね」と答えあわせになるような感覚があり、これもすごくカッコよくて大感動。いい!!!
終演後はロビーにメンバーが出てきてサインや握手をしてくれて、この「近さ」もローカルな会場ならでは。東京のライブハウスじゃ絶対にない光景だ。
僕も久々にニカさんにご挨拶ができて、「また会いましょうね」なんて言ってもらえて嬉しかった。
きらきらと黄金色の、いい時間だったなあ。
【告知】10/12 高願寺 十五夜音楽会 2024 開催!
2018年に二階堂さんとジェントルフォレストセクステットが出演してくれた、高願寺のお月見音楽会。その後、台風やコロナでお休みが続きましたが、昨年より復活!今年は「十五夜音楽会」として、10/12(土)に開催予定です。
出演は箏の今西紅雪さんのトリオ。夕方から夜にかけて、雨が降らなければ野外で虫の声とともに素敵な音楽をお聴きいただけます。
入場無料・申し込み不要ですので、ぜひふらりとお立ち寄りください。私も開催側の人間として会場におります。武蔵小杉の駅から、徒歩でもバスでもタクシーでも程近い距離にある緑豊かなお寺です。ぜひぜひ!
お寺のこと
9/12に名古屋で行われた天台宗東海教区 布教師会・仏青合同研修会にて、研修講師をつとめさせていただいた。東海教区で布教師会と青年会が合同で研修会をするのは初めてのことらしく、そのような場で話せるとは光栄だった。
自分の講義よりも、その前にご発表なされた青年層お二人のチャレンジが素晴らしく、お二人の実践を自分が客観的に整理するような役割であったのではないかと思う。
懇親会で話しかけてくれる意欲的な青年僧たちとも出会えて有意義な研修会だった。声をかけてくれた、輪田友博さんありがとうございます!
そんな輪田さんが住職をつとめる愛知県春日井市 天台宗 日輪寺へお参り。
以前、インタビューした際に、向かいの神社の朝市に来られる方々に境内や本堂を開放して、お寺へのご相談の流れを作る、というエピソードが印象的で、その距離感を実際に見ることができた。
神社も非常に気持ちの良い空気のある場で、お互いに良好な関係性で協力し合えることはとてもいいなあ。
翌日は小牧市の日蓮宗 妙楽寺さんへ。「妙に楽しいお寺」妙楽寺も以前からぜひ伺って現地を見てみたいと思っていた。
墓地整備のお悩みを聞いていたので、実際に現地を見てから、課題に感じていらっしゃることを様々にお聞きすることができた。
その翌日の午後は、岐阜県大垣市にある臨済宗妙心寺派 大源寺さんへ。
大源寺 住職の桑海一寛さんは、未来の住職塾 第2期に来られてからだからもう10年以上のお付き合い。塾へも何度か受講に来てくださっているので、ようやくのお参りが嬉しい。コツコツとなさってこられた努力の実りを見させていただく。
そしてまた名古屋市に戻り、真宗大谷派 長善寺で「みちの夜市」に参加!
以前からマルシェ開催に関してご相談にのっていて、Webサイトもつくらせていただいていたので、お寺独自の企画開催となって初めての場に立ち会えて良かった!
月刊住職 2024年9月号
月刊住職 9月号は、福井県 浄土宗 善導寺 副住職の大門哲爾さんを取材。お寺でのイベント開催について、これまでやってきた工夫について色々とお聞きした。
12月には福井へ呼んでいただいて「お寺葬」にまつわる勉強会を一緒に企画中。善導寺にもお参りしたい!
Podcast「ゆるやか死生学」1周年記念 公開収録@神谷町 光明寺
9/23、お彼岸後半の神谷町 光明寺に横浜市 日蓮宗 妙法寺の久住謙昭さんをお招きして、くすみん&てるみんの「ゆるやか死生学」ゲストトークを収録。リスナーさんも何名か来てくださって、非常にあたたかく楽しい一夜になった。
6月にお母様を亡くされた久住さん。お母様の死についても語ってくれた。 久住さんのことだからしんみりしすぎずに明るく語ってくれて、笑いと涙のストーリーだった。亡き人について語ることは、双方の人柄が滲み出るなあ、、、。
ライブがあったばかりだったかもしれないが、電気グルーヴの「虹」という曲を思い出していた。
当日の収録音源は、近日中にポッドキャスト「ゆるやか死生学」にて配信予定!お楽しみに!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?