サウナな人々 京都に思いを馳せる

サウナ、ほの暗く汗ほとばしる空間。

今日もまたそこで、女子たちのよもやま話に花が咲き、熱風が吹き荒れる。

時には、目の前にサウナがあっても入らない事もある。

ここのサウナ92度、水風呂20度のコンビネーションで、水風呂の温度が高すぎて、身体がシャッキリとしないのだ。

ここではいつも風呂⇄水風呂というルーティンを楽しむことにしている。

この日は仲良し4人おばちゃんが、話しながらサウナと水風呂を楽しんでいた。人と同じペースでサウナに入るのは、大変なのではないかと思うのだが、4人仲良くサウナ、水風呂を繰り返している。

ここの水風呂は、約1.7m×1.7mの正方形である。おばちゃん達は、東西南北を守護する四神であるかのごとくに、水風呂の四隅に鎮座している。そして各々が風呂場の縁に両腕をかけ、あーでもないこーでもないと話し続けている。

おばちゃんはサウナと水風呂、私はお風呂と水風呂で何度か交互に入っていると、ついにその瞬間がやってきた。

私が、のそのそと水風呂に足を一歩踏み入れたその時、サウナからおばちゃんが放出され、水風呂に流れ込んだのだ。

そして、ごく自然に、北に玄武、東に青龍、西に白虎、南に朱雀と言った感じに、水風呂の角を取った。

完全に出遅れた。勢いに圧倒された。

私は、突如、水風呂の中の落ち着く場所を失い、スペースができた正方形の中央に行かざるを得なくなった。均等なパーソナルスペースを保てる最適解は、中央しかなかった。それ以外の場所では、四神の一つと不自然なほど近づいてしまうのだ。

四神は、中央で行き場を無くした私などには目もくれず、四隅を守りながら、「インフルエンザにかかっているのに病院に行かない他のおばちゃん話」で盛り上がっている。

初めは何となく居心地が悪かったのだが、段々と四神に守られている京都のような、中央にある平安神宮のような気分になった。私は守られている。水風呂に清められた私は、明日への活力を得た。

この水風呂で本日の入浴は切り上げることにする。

いつも有難うございます!